2018年01月15日号
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artscapeレビュー

こども+おとな工芸館 ナニデデキテルノ?

2016年09月01日号

会期:2016/07/16~2016/09/08

東京国立近代美術館工芸館[東京都]

夏休み、こどもたちが工芸の魅力に出会うのに絶好の展覧会。もちろん大人も楽しめるが、目の前の作品が「何でできているのか」という素朴な疑問を大人たちはともすると忘れてしまい、それを通り越して、技法や用途、意味付けに性急に答えを求めてしまいがちではないだろうか。しかしそんな大人も問題なし。こども向けのパンフレットと大人向けのパンフレット、こども向けのプログラムと大人向けのプログラム、そしてこどもと大人で一緒に楽しむプログラムが用意されていて、こどものようにも、大人らしくも、鑑賞できるようになっている。
いずれも同館所蔵の展示作品は、竹久夢二の染織やクリストファー・ドレッサーのガラス作品から、喜多川俵二の織物や古伏脇司の漆工まで、20世紀から21世紀の日本の作品を中心に実に多様。会場は、繊維、陶磁、ガラス、金属、漆・木竹等にわかれ、テーマである素材を追いやすいように構成されている。およそ140点の展示作品のなかで、唯一の作者不詳の作品は1920年代から30年代の小さなコンパクトであった。その一部の微細なモザイク装飾は卵の殻でできている。工芸作品は素材と技法で成り立っているといってもいいと思うが、素材には実は限りがないのである。[平光睦子]

2016/08/12(金)(SYNK)

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