2018年01月15日号
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artscapeレビュー

2016 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展

2016年10月01日号

会期:2016/08/20~2016/09/25

西宮市大谷記念美術館[兵庫県]

絵本の原画「イラストレーション」のもつ力はすごい。作品を見ながら微笑んでしまう展覧会はなかなかないからだ。本展は、イタリアのボローニャで開催されている子どもの本専門の国際見本市の催しとして始まった、併設コンクールの全入選作を集めた展覧会。さらに今年は記念すべき50回目を迎え、ボローニャ展50年の歩みを各年の図録と年譜で振り返る展示もされている。
今回は61か国3,191点の応募の中から77名が選出され、うち日本人は10名という快挙である。日本の入選作には、墨を効果的に使ってユニークなキャラクター造形をしたもの、あらかじめキャラクターを万年筆や絵具で描いて点線で切り取れるようにして、それらを組み合わせて街の様子を再構成したアイディアのもの、「色」のイメージから敷衍して世界の都市風景を表象したものなど、独特な感性が目立った。展示作品は5点一組になっているから、一つひとつに物語があり、短い絵本を見るようで楽しい。時代を感じるのは、デジタル作品が意外に多かったこと。手仕事と組み合わされて、表記されなければわからないほど、繊細で柔らかな質感があるものもある。そのほか、刺繍や木版画の素朴なものまで、イラスト技法の多様性にも目を瞠った。[竹内有子]

2016/09/17(土)(SYNK)

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