2018年04月15日号
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artscapeレビュー

ジョージア・オキーフ展

2016年10月01日号

会期:2016/07/06~2016/10/30

テート・モダン[イギリス、ロンドン]

デビューから一世紀を経た今、20世紀アメリカを代表する女性画家、ジョージア・オキーフ(1887-1986)の足跡を振り返る展覧会。およそ100点の絵画が一堂に介した本展は、公式コレクションに一点も所蔵がない英国ではオキーフの作品を直接目にする貴重な機会だという。
本展では、オキーフの夫であり“近代写真の父”といわれる写真家、アルフレッド・スティーグリッツ(1864-1946)や彼に影響をうけた写真家、アンセル・アダムス(1902-1984)らの作品とオキーフの作品との関係性に焦点があてられた。オキーフは、スティーグリッツの写真をそのまま絵画に置き換えたような雲の画を描き、アダムスも撮影したアッシジの聖フランチェスコ聖堂を何度も描いた。会場には彼らの写真とオキーフの絵画が並べて展示されており、両者をつぶさに比較できるようになっている。オキーフの絵画に独特のまったりした陰影やモチーフをクローズアップした画面構成などには確かに写真からの影響を見て取ることができる。しかし、画面いっぱいに描かれた花の画やシンボリックな動物の骨の画といった代表作に見られる、あの独創的な表現がそこから生み出されたことにはあらためて驚かされた。模倣から独創をつくり出す素直で柔軟な感性こそが、オキーフをして常に女性画家の代表と言わしめる理由かもしれない。[平光睦子]

2016/09/09(金)(SYNK)

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