2018年12月01日号
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artscapeレビュー

楢木野淑子 展

2016年10月01日号

会期:2016/09/06~2016/10/02

ギャラリーなかむら[京都府]

レリーフ状の装飾で埋め尽くされた陶オブジェで知られる楢木野淑子。その豊饒な世界観は古代遺跡のレリーフを連想させ、生命賛歌ともいうべきポジティブなエネルギーに貫かれている。今回は、緩やかに湾曲した陶板360個を積み上げた、直径約3メートル、高さ約2メートルの大作を出品した。これまでも円柱型の作品はあったが、これほど巨大なものは初めてだ。その作業を焼成以外は独力で成し遂げたことに驚かざるを得ない。装飾は動植物、人間(神?)、幾何学形態の組み合わせで、型抜きしたパーツを陶板に貼り付けている。彩色は陶芸用の絵具を用いており、いままでは見られなかった絵画的な着彩が導入されていた。これまでも観客の期待を超える作品で何度もブレークスルーを果たしてきた楢木野だが、この新作はマイルストーンと呼ぶべき重要作ではなかろうか。見逃さなくて良かった。

2016/09/06(火)(小吹隆文)

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