2018年10月15日号
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artscapeレビュー

大場康弘作品展「Inner Books」躰の内に眠る書庫を静かに開いてみる……

2016年11月01日号

会期:2016/09/26~2016/10/01

GALLERY Ami-Kanoko[大阪府]

水色を基調とする画面に描かれた、人、動物、植物、魚類、鳥類、天体など。それらはいずれも人格を持った存在として描かれて、等価な立場で静かに戯れている。大場康弘が描くメルヘンチックな絵画世界を説明すると、こんな感じになるだろう。しかし、本展の面白さは絵の個性だけではない。大小の作品をアトランダムに配したインスタレーション風の展示も大きな魅力なのだ。絵の配列を決めているのは、画中に登場する蔓草らしきもの。ひとつの作品を越えて蔓が延び、隣の作品、そのまた隣の作品へと繋がっていく。この蔓草のおかげで、一つひとつの作品が独立した存在でありながら、全体の一部として有機的に機能しているのだ。見た目はイラスト調で可愛い画風だが、全体を統べるコンセプトはスケールが大きく、骨太なものがある。そのギャップも大場作品の魅力だろう。

2016/09/26(月)(小吹隆文)

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