2018年04月15日号
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artscapeレビュー

マリメッコ展

2016年11月01日号

会期:2016/10/08~2016/11/27

西宮市大谷記念美術館[兵庫県]

北欧フィンランドを代表するアパレル企業であり、鞄、インテリア、食器なども手掛けるマリメッコ。同社の約60年にわたる歴史を、ヘルシンキのデザイン・ミュージアムが所蔵する、ファブリック約50点、ビンテージドレス約60点、デザイナーの自筆スケッチ、各時代の資料などで振り返るのが本展だ。マリメッコのファブリックは、大胆な色と柄が特徴。シンプル&モダンに徹した服飾デザインも素晴らしい。同社の創業は1951年だが、同じ50年代にクリスチャン・ディオールが発表した有名な「Aライン」と比べても、近代と現代ぐらいの違いが感じられる。もちろんマリメッコが現代だ。つまり、ファッションとしてのみならず、モダンデザイン、プロダクトとしても優れていたことが、今日の同社の成功を下支えしているのであろう。また、本展の記者発表で興味深いエピソードを聞いた。現在NHKで放映中のドラマ「べっぴんさん」のモデルとなっている神戸の子供服メーカーは、創業年がマリメッコと1年違いだという。ともに第2次世界大戦の敗戦国である日本とフィンランドで、ほぼ同時期に新たなデザインが芽吹いていたとは。その事実を知った途端、本展がとても身近なものに感じられた。

2016/10/08(土)(小吹隆文)

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