2018年10月15日号
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artscapeレビュー

藤友陽子 銅版画展

2016年11月01日号

会期:2016/10/11~2016/10/16

ギャラリー16[京都府]

薄暗い部屋の片隅を描いた銅版画14点が並んでいる。押入れの角のような湿り気のある薄暗さもあれば、窓から差し込む斜光が見える作品もある。一貫しているのは、アンダーな光の階調を丁寧に描写していること。そして人の気配がないことだ。画面から漂う静けさ、それも緊張や弛緩ではなく、ぽかりと空いた空白のような静けさが心地良い。藤友は、以前の個展で外の風景を描いていた。土手の道路や坂道だったと記憶している。室内を描いた本作とは条件が違うが、やはり光の表現と静けさが印象的だった。作品も活動も地味だが、質の高い作品を作り続けている作家だ。もっと注目されるべきだと思う。その一方、派手に持ち上げられるのは似合わないとも思う。見る側は勝手なものである。

2016/10/13(木)(小吹隆文)

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