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第15回東京大学ホームカミングディ 駒場寮同窓会講演会

2016年11月15日号

東京大学本郷キャンパス法文1号館314番教室[東京都]

「建築空間としての駒場寮」@東大本郷のレクチャーを行なう。いまは解体された建築だが、1985年に僕が入寮した当時、24畳の部屋に平均3人(部屋ごとに条件やルール、間仕切りのアリナシなど、使い方がまったく違う完全自治)、渋谷まで歩いて10分、キャンパス内にあるため朝起きたら大学の構内、月100円の寮費といった驚くべき環境だった。全寮制の時代は計画学的に使われたはずだが、後になって、若い人たちが参加した意図せざる居住実験が行なわれていたとあらためて思う。ちなみに、駒場寮は関東大震災の後、1930年代半ばに建設された鉄筋コンクリート造の建築であり、築地市場や伊東忠太の築地本願寺とほぼ同時代の産物である。

2016/10/15(土)(五十嵐太郎)

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