2018年04月15日号
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artscapeレビュー

特別展「大英自然史博物館展」記者発表会

2016年11月15日号

会期:2016/10/19

国立科学博物館[東京都]

ロンドンの自然史博物館から剥製や標本、資料など約370点がやってくる。この自然史博物館は昔ロンドンに滞在していたときよく訪れた場所。ロマネスク様式の美しい建物といい、エントランスロビーを飾る恐竜の巨大な化石見本といい、年季の入った陳列ケースといい、うんざりするほど厖大なコレクションといい、19世紀後半のヴィクトリア朝の栄華を彷彿させる博物館だ(が、その後インタラクティブな装置を導入するなどモダナイズされ、ちょっとがっかりした)。あの建築空間そのものを持ってこられないのは残念だが、コレクションは始祖鳥の化石をはじめ、絶滅した恐鳥モアの骨格、やはり絶滅したニホンアシカの標本、オーデュポンによる大判の鳥類画集『アメリカの鳥』、そしてオランウータンの骨を使って人類の祖先を捏造した「ピルトダウン人」の骨片(門外不出の贋作!)まで来るという。総点数は370点で、うちロンドンで常設展示されているのは17点のみ。大半が倉庫に眠ってたものともいえるが、見方を変えればイギリスでもめったに見られない秘蔵品とも言える。それにしても科博のスタッフはお堅い人たちと思っていたが、みなさんオタクで(これは予想できた)ユーモアのある人ばかり。国立の研究機関も変わったなあと思ったが、今回イギリス側との打合せのとき、相手方は全員女性なのに日本側は全員男性だったというエピソードを聞いて、まだ道は遠いと感じたものだ。

2016/10/19(水)(村田真)

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