2018年01月15日号
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artscapeレビュー

新・今日の作家展2016 創造の場所─もの派から現代へ

2016年11月15日号

会期:2016/09/22~2016/10/09

横浜市民ギャラリー[神奈川県]

1964年の開館から約40年にわたり現代美術の「いま」を示してきた横浜市民ギャラリーの「今日の作家展(今作)」。同展がもっとも影響力を持ったのは70-80年代で、90年代から徐々にフェイドアウトして、いつのまにか「ニューアート展」「ニューアート展NEXT」と無意味な変化を遂げて消滅。今年ようやく原点に戻ろうとしたのか、「新・今日の作家展」としてリスタートを切ることになった。そんなわけで記念すべき第1回は、70-80年代の「今作」を飾った「もの派」系の菅木志雄と榎倉康二を中心に、彼らのお父さん世代の斎藤義重、榎倉に学んだ池内晶子、菅に見出された鈴木孝幸という世代を超えた、理解も超えた人選。
斎藤と榎倉は物故作家なので旧作を展示。菅はコンクリートブロックを高さが異なるように矩形に並べ、上に木の板を渡したインスタレーション。無理にたとえればジェットコースターみたいな形状だ。うまいなと思うのは、床とブロックの色が同じで溶け合い、上に載せた板の肌色が美しく際立つこと。その隣の鈴木は海岸で拾ってきた数百もの廃材、貝、石、漁具などを床と壁に展示している。もの派というより、リチャード・ロングやトニー・クラッグらのイギリス彫刻に近い。池田は糸を使ったインスタレーションふたつ。ひとつは壁から4本の糸を出して中央でクモの糸のように絡め、中心に円形の穴を開けている。もうひとつは展示室の壁から壁へ数十本の糸を渡し、床から10センチほどの高さまで緩ませたもの。緊張感がたまんない。

2016/10/02(日)(村田真)

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