2017年07月15日号
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artscapeレビュー

赤鹿麻耶「あかしかまやのオープンスタジオ」

2017年02月15日号

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会期:2016/12/01~2017/01/11

ビジュアルアーツギャラリー[大阪府]

赤鹿麻耶は2015年に大阪と東京で開催した「ぴょんぴょんプロジェクト」をきっかけにして、作品と会場とを一体化して、観客が自由に鑑賞できるような展示のスタイルを模索している。今回は、大阪・桜橋のビジュアルアーツ専門学校大阪のギャラリーを「オープンスタジオ」として開放し、期間中に制作した写真作品やオブジェを加えて「約一カ月間、すこしずつ変化してゆく展覧会」を開催した。
最終日になんとか間に合って、展示を見ることができたのだが、会場にはプリンターやモニターが持ち込まれ、展示作品は天井、壁面、床一面に増殖していた。いつも通り、ややエキセントリックな周囲の人物たちのパフォーマンスを記録した写真が多いのだが、連続的に撮影した写真をそのまま並べていくことで、インスタレーションにアクセントがついている。ただ、事前の予想を超えた破天荒な展示だったかといえば、そうでもない。専門学校に付設したギャラリーという制約もあったのかもしれないが、もっと展示という概念自体をひっくり返すような過激さ、過剰さが欲しかった。コンセプトそのものはとても面白いので、場所を変えて何度かトライできるといいと思う。
会場の床に紙が置かれ、その上に写真の束がまとめてあった。そこに記されていた言葉が興味深い。「存在」、「始まり・起源・入り口」、「さそい・いざない」、「うたがい」、「実験」、「コトバ・夢・ねむり」、「発見」、「植物・共存」、「感動・リアル・生・出口」、「感触・予感」。彼女なりに、自分の作品をいくつかのカテゴリーに分類しようという試みなのだが、これらの言葉に沿って写真を再組織していけば、新たな方向性が見えてくるはずだ。まだやりかけの作業のようだが、ぜひ最後まで続けていってほしい。

2017/01/11(水)(飯沢耕太郎)

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