artscapeレビュー

プレビュー:The Legacy of EXPO’70 建築の記憶─大阪万博の建築

2017年03月01日号

会期:2017/03/25~2017/07/04

EXPO’70パビリオン[大阪府]

高度成長が頂点を迎える時期に開催され、戦後日本の記念碑というべき一大イベントだった1970年大阪万博(日本万国博覧会)。数々のパビリオンが立ち並び、さながら未来都市のようだった会場は、現在は公園となり(万博記念公園)、往時をしのぶ建築は《太陽の塔》などわずかしか残っていない。そのうちのひとつ《EXPO’70パビリオン》(元・鉄鋼館)で、大阪万博の建築をテーマにした企画展が行なわれる。展示物は、パビリオンの設計図、構想模型の写真、約14年の月日をかけて完成したエキスポタワー模型の初披露と、同タワーが解体される過程を記録した写真225点など。大阪万博は建築史的にも重要で、エアドームや吊構造などの新技術がふんだんに導入された。また、建築の価値観が重厚長大から軽く、小さく、動くものへとシフトするきっかけになったともいう。本展は、そうしたパビリオン建築の記憶をたどるとともに、現在に引き継がれているものを確認する機会となるだろう。

2017/02/20(月)(小吹隆文)

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