2018年07月15日号
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artscapeレビュー

「ロックウッド・キプリング: パンジャブとロンドンにおけるアーツ&クラフツ」展

2017年04月01日号

会期:2017/01/14~2017/04/02

ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館[ロンドン(英国)]

ジョン・ロックウッド・キプリング(1837─1911)は、英国生まれのデザイナー/彫刻家。『ジャングル・ブック』で知られる小説家のラドヤード・キプリングの父でもある。英領インドに移住し、美術学校長・イラストレーター・博物館長などとして活躍したほか、インドの伝統的な美術・工芸・建築の振興と保全に力を尽くした。これがインドの「ウィリアム・モリス」にたとえられ、さらにラファエル前派第二世代の画家エドワード・バーン・ジョーンズと親戚の関係にあったことなども「アーツ&クラフツ運動」との関わりを示すいわれである。彼はまたサウス・ケンジントン博物館(現:ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館)とも重要な関係がある。今でも見ることができるように、陶製の建築装飾を担当したほか、インドの工芸品のコレクションの充実にも寄与した。本展は、約300点に及ぶ展示品から、ロックウッド・キプリングの業績を回顧する初めての展覧会。1851年のロンドン万博の資料から、当時のデザイン教育者たちから称賛を受けていたインドの工芸品、彼がインドの工人を描いたドローイング、帰国後における英国王室別邸のデザインの仕事などまでが展示され、大変充実した内容。現在においては忘却されることの多かった彼が、英国・インド両国における美術・デザイン界で大変重要な人物だったことを教えてくれる。[竹内有子]


会場風景(筆者撮影)

2017/03/12(日)(SYNK)

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