2018年12月01日号
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artscapeレビュー

ベルギー奇想の系譜展 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで

2017年06月01日号

会期:2017/05/20~2017/07/09

兵庫県立美術館[兵庫県]

15世紀後半から16世紀初頭に活躍したヒエロニムス・ボスから、現代のヤン・ファーブルまで、約500年間にわたり脈々と受け継がれてきたベルギーの奇想画の系譜をたどる展覧会。第1章では、ボス、ブリューゲル(父)、ルーベンスなど主に16世紀の作品が登場し、第2章では、ロップス、クノップフ、スピリアールト、アンソールなど、19世紀末から20世紀初頭の象徴主義を中心とした作家が並んでいる。そして第3章はデルヴォーやマグリットなどのシュルレアリスムから、ブロータールス、パナマレンコ、ヤン・ファーブルなど現代の作品までが。ルーベンスを奇想画に入れるのか?と思ったし、現代作家は何でもありな感じがしないでもないが、ベルギーの美術に一貫した流れがあるのは間違いない。奇想画というのは洋の東西を問わずどこの国でもあるものだが、担当学芸員によると、ベルギーはその傾向が抜きん出ているという。理由を訊ねたところ「ベルギーは19世紀にやっと独立国になったが、それまでの過程で何度も支配者が変わり、戦争が起こるなど複雑な歴史を抱えている。その影響が芸術表現に現われているのではないか」とのこと。あるいは、英仏独という大国に挟まれ、各国の文化が流入しやすい地理的特性が、奇想画の系譜を生み出したのかもしれない。ベルギー名物といえばビールとチョコレートだが、美術史においても独自の存在感を示していたのだなと、改めて思った。

2017/05/19(金)(小吹隆文)

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