2018年01月15日号
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artscapeレビュー

アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国

2017年06月15日号

会期:2017/04/29~2017/06/18

東京ステーションギャラリー[東京都]

正直、よくあるアール・ブリュットだと、なめていた。彼が精神病院で30年かけて描いた膨大な細密画は想像以上の内容だった。もはや宗教画に近いと言うべきか。自らを作曲家と呼んでいたが、楽譜や建築も頻出するのが興味深い。小池都知事が石原色を消すかのように、トーキョーワンダーサイトから手を引き、急にアール・ブリュットに力を入れ始めたが、アドルフならば、行政や商業に回収されるアール・ブリュットにはならないだろう。なにしろ彼は世界征服を企んでいたのだから! そして晩年の作品は、コラージュと言葉によるアートに変化している。

2017/05/02(火)(五十嵐太郎)

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