2018年06月15日号
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artscapeレビュー

笹岡啓子「PARK CITY」

2017年07月15日号

会期:2017/06/06~2017/06/24

The Third Gallery Aya[大阪府]

笹岡啓子は2009年に写真集『PARK CITY』(インスクリプト)を刊行した。彼女の故郷である広島の平和記念公園とその周辺を、6×6判のモノクロームで撮影した写真をまとめたものである。だが広島での撮影は、すでに2001年頃から始まっており、写真集刊行後も断続的に続けられていた。今回のThe Third Gallery Ayaでの展示では、それらを現時点で振り返って再構築していた。
会場にはモノクローム作品だけでなく、近作のカラー写真も並んでいる。魂がフワフワと漂うような浮遊感を増したそれらの写真群も興味深かったのだが、今回の展示で最も力が入っていたのは、壁面に投影されていたスライドショーではないかと思う。そのなかには「作品」として制作されたものだけでなく、彼女が所属するphotographers’ galleryが刊行した『photographers’ gallery press no.12』の広島特集「爆心地の写真 1945-1952」(2014)のための調査の時に撮影されたスナップや、自分や友人たちの子供時代のアルバム写真なども含まれている。つまり、笹岡自身と広島との重層的な関わりのあり方を再検証しようという試みであり、そこではスライドショーという形式がとてもうまく機能していたと思う。おそらく『PARK CITY』というシリーズ自体、完結することなく続いていくことを前提としているのだろう。展示だけではなく、写真集としても、さらに新たなかたちでまとめ直すことができるのではないだろうか。次の展開が楽しみだ。

2017/06/07(水)(飯沢耕太郎)

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