2018年10月15日号
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artscapeレビュー

大山エンリコイサム ファウンド・オブジェクト

2017年10月15日号

会期:2017/09/01~2017/09/30

コートヤードHIROO[東京都]

ニューヨークの骨董屋で見つけた時代ものの版画や写真に、グラフィティのストロークを施した作品15点の展示。元の絵柄は花、人物、建物、風景などさまざまで、そこに細密な鉛筆やアクリル絵具でジグザグパターンを描き加えている。グラフィティを「落書き」とすれば、これは紛れもなく版画や写真への落書きであり、大げさにいえば他人の作品へのテロともいえる行為だが、グラフィティの「ゴーイング・オーバー」がそうであるように、元の画像を汚したり隠したりせずに丁寧に線描しており、オリジナルを尊重していることがわかる。バンクシーにも古い絵画に手を入れて現代的な風刺画に変えてしまう作品があるけれど、大山は意味を変えるというより、オリジナルの画像への即興的なリスポンスを試みているのかもしれない。サイズも小さめでコレクションするには手ごろ。

2017/09/01(金)(村田真)

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