2017年11月15日号
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artscapeレビュー

オルセー美術館 至宝のリマスターアート展

2017年11月01日号

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会期:2017/10/04~2017/10/17

大丸ミュージアム神戸[兵庫県]

本展で用いられる「リマスターアート」とは、記録用のデジタルアーカイヴ画像をもとにした原作の復元を意味する。ただし注意が必要なのは、これがオルセー美術館の公式な認定を受けたレプリカであること。だから、通常では許可されない「原寸大」のサイズで作られている。高精細の3D画像によって作品解析を行う、最先端技術をもって作成された復元作品は「マスターレプリカ」と呼ばれる。もっとも、これを狭義の「美術鑑賞」の場でどう捉えるかについては意見の分かれるところだろう。復元画は、当然ながらメディウム自体を再現するわけではない。原作の筆のタッチや絵具が盛り上がる様子はよく見えても(画面は特殊顔料をスプレー状のもので吹きつけて仕上げられるという)やはり平坦であり、実際の生々しいテクスチュアや迫力のある凹凸までは写さない。しかしながら、従来の印刷物等による複製とは異なる高度な技術は、原画の筆触や色彩の正確な再現を可能にしている。今後の研究や教育での活用が大いに期待される。また異国の美術館に足を運んで見ることができないような場合にも、同技術の復元品は役立つ。本展では、美術史に出てくる名作(印象派以前からマネ、印象派とポスト印象派の巨匠たち)ばかり計60点を見ることができる。最新の複製技術の発達に目を瞠るか、はたまた真性のアウラを作品鑑賞に求めるのか、その人次第。実見して確かめるのも悪くない。[竹内有子]

オルセー美術館公式認定 Precision Re-mater Art
https://www.youtube.com/watch?v=zwjvWx7sIdE

2017/10/15(日)(SYNK)

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