2017年11月15日号
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artscapeレビュー

テクマク写真展 インストゥルメンタル[instrumental]

2017年11月01日号

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会期:2017/10/11~2017/10/15

ギャラリー・アビィ[大阪府]

テクマクは女性写真家で、個展はすべてギャラリー・アビィで行なっている。彼女の作品は繊細さに溢れたもので、日常の些細な一瞬を柔らかな、やや浅めのトーンで捉えるのが特徴だ。そして小さな幸福感が見る者をじんわりと包み込む。本展でもそうした彼女の特質を生かした作品が見られたが、同時にこれまでとは異なる点も感じられた。それは作品の抽象度である。本展の作品はすべて、水、雲、空をモチーフにしたもので、表現の核心には「光」への関心がある。それを抽象的に、しかし鋭角的にではなく、日常生活と地続きの視点でふんわりと着地させたところに作家としての成熟を感じた。本展をもって作風が変化したということはなく、今後も彼女はこれまで通りの作品を撮り続けるだろう。しかし、やろうと思えばいつでも別の顔を見せられる。そのポテンシャルがうかがえたことが本展の収穫である。

2017/10/13(金)(小吹隆文)

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