2017年11月15日号
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artscapeレビュー

air scape / location hunting 2017 ヤマガミユキヒロ

2017年11月01日号

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会期:2017/10/10~2017/11/05

Gallery PARC[京都府]

カテゴリー:美術
京都市中京区の御幸町通三条にあったGallery PARCが、そこから南西へ10数分の距離にある室町通六角へ移転。活動再開の第1弾としてヤマガミユキヒロの個展を行なった。ヤマガミは「キャンバス・プロジェクション」という独自の作品で知られるアーティストだ。同作は、まず綿密なロケハンで選んだ場所を写真撮影し、その情景を丹念に描写した鉛筆画を制作、次に同じ場所で映像を定点撮影し(撮影時間は、短時間、一昼夜、春夏秋冬などさまざま)、その映像を鉛筆画の上に重ねて投影するというものだ。絵画と映像の要素を併せ持ち、そのどちらとも異なる空間性や時間性を表現し得る手法として評価を確立している。本展は新作展ではなく、これまでのヤマガミの代表作を複数の展示室に配置するプチ回顧展の趣となった。彼の作品を知らない人にとって絶好の機会となっただろう。一方、見慣れた人にとっての注目ポイントは映像技術の向上だ。2点の大作が1点ずつ映像を投影しているのに対し、小品群はひとつの壁面あたり10数点の映像を1台のプロジェクターで投影していた。しかも作品は横一列ではなく二段掛け、三段掛けである。大がかりなシステムを用いずに正確な映像制御が行なわれていたことに驚かされた。映像技術が向上すれば、ヤマガミの表現はさらに多彩になるだろう。次に行なわれる新作展がいまから楽しみだ。

2017/10/10(火)(小吹隆文)

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