artscapeレビュー

《ダンシング・ビル》

2017年11月15日号

[チェコ、プラハ]

前回の訪問時はオフィスだったフランク・ゲーリーの《ダンシング・ビル》は、現在一部がホテルとなったので、少し高かったけど宿泊してみた。ダンサーのフレッドとジンジャーに形態をなぞらえた踊るビルである。ジンジャーのガラスのスカートあたりの部屋なので、180度くらいのワイドビューが確保され、めちゃくちゃ視界がよく、川の向こうのプラハ城まで見える。最上階のバーでは、ひっきりなしに観光客が来て、眺望を楽しむ。ゲーリーの建築は、やはり当初は古都プラハの景観を破壊するという反対が多かったらしい(実物は意外に両隣の建物との関係も考慮しつつ、ヴォリュームの構成などよく練られていると思うけど)。が、いまや土産屋でプラハ城と並んでミニチュアがあったり(チェコ・キュビスムはないのに)、新しい街のランドマークとして認知されている。

2017/09/20(水)(五十嵐太郎)

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