2018年01月15日号
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artscapeレビュー

ヴェレトゥルジュニー宮殿(プラハ国立美術館)

2017年11月15日号

[チェコ、プラハ]

ヴェレトゥルジュニー宮殿は、旧王宮ではなく、見本市会場としてつくられ、その後、オフィスビルだったモダニズム建築をリノベーションし、現在は国立美術館になったものだ。外観も大きいが、内部に入ると、むちゃくちゃでかいのに驚く。しかも超巨大吹抜けが2つもあって現代美術向きである。上階から降りると、19世紀から近代、現代へと続く。象徴主義の影響が強かったせいもあるが、とにかく色使いが暗い(日本の絵画も暗いと思うが)。近代では、チェコ・キュビスムと連動する彫刻家オットー・グートフロイントの作品が最初にずらりと並ぶ。露骨にピカソの模倣みたいな作家もいるなか、彼には独自性がある。ちなみに、この国立美術館の常設コレクションは、アート限定ではなく、建築(模型、ドローイング、コンペ案などを展示)やデザイン(家具やプロダクトなど)の動向も一緒に紹介しているのが、うらやましい。企画展はアイ・ウェイウェイとMagdalena Jetelováを取り上げ、いずれも巨大吹抜けを見事に使い切る。前者の作品は、横浜トリエンナーレ2017において美術館の外壁でも使われており、これはやや迫力に欠けたが、ここでは内部に70m! の難民のゴムボートの作品を設置するほか、カフェやエントランスの大空間も活用し、ダイナミックだった。

写真:左上・左中=ヴェレトゥルジュニー宮殿 左下=オットー・グートフロイント 右上=アイ・ウェイウェイ 右中=Magdalena Jetelová 右下=建築の展示

2017/09/19(火)(五十嵐太郎)

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