2017年12月15日号
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artscapeレビュー

細江英公個展「創世記:若き日の芸術家たち」

2017年12月01日号

会期:2017/10/28~2017/11/18

YOD Gallery[大阪府]

本展は、細江英公が2012年に刊行した写真集『創世記:若き日の芸術家たち』から抜粋した作品で構成された個展である。同書は1967年から75年に撮影したポートレイトをまとめたもので、土方巽、寺山修司、横尾忠則、つげ義春、草間彌生、岡本太郎など、当時の文化シーンで活躍した芸術家たちの姿を活写したものだ。作品サイズは半切(A3とほぼ同寸)で統一されていたが、草間彌生の2点だけは本展のためのニュープリントとして100×150cmの大作が用意された。作品を見ると、当然ながらみな若い。寺山修司などは競馬場の群衆に紛れているせいか、見つけるのに苦労した。つげ義春は彼の漫画に登場するような古びた木造家屋と写っているし、土方巽は舞台衣装を着て、当時彼が就いていた牛乳配達の自転車に乗った姿を捉えている。背景に見える東京の街並みも現在とは大違いだ。こうした日本写真史に残る仕事を関西で見る機会は意外と少ない。会場のYOD Galleryでは3年前にも細江の『薔薇刑』をテーマにした個展を行なっており、写真ファンにはありがたい限りだ。今後も同様の企画が続くよう願っている。
キャプテン:「坂東玉三郎」(1971)ゼラチン・シルバープリント

2017/11/01(水)(小吹隆文)

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