2018年12月01日号
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artscapeレビュー

絵画の現在

2018年03月01日号

会期:2018/1/13~2018/2/25

府中市美術館[東京都]

1960-80年代生まれの7人の絵画展。最年長の白井美穂は、不可視の法則や運動を可視化させようとしている点で古典的ともいえるが、その色彩と描写は明るくポップで、どこかアンバランス。津上みゆきの作品は抽象表現主義的な絵画に見えるが、スケッチを元にした風景画で、今回は府中市内を渉猟して描いたものだという。いつになく遠近感や空気感が出ているように感じる。福士朋子は飛行機をモチーフにしたマンガチックな絵をホワイトボードに描いている。マンガチックな形式もさることながら、ホワイトボードにマジックというすぐ消せる画材を選んだところに注目したい。

今井俊介はコンピュータで画像を作成し、それをキャンバスに移して色を塗る。ポップ、オップ、ハードエッジ、ミニマル、デジタルといった要素を総合させたいかにも絵画らしい、いや絵画らしからぬ絵画というか。最年少の近藤亜樹は人物や動物や植物を極端にデフォルメし、鮮やかな色彩と大胆な筆づかいでグイグイ描いていて、見ていて気持ちがいい。これは相当に力のある人だ。ヴァラエティに富んだ選択で絵画の豊かさを堪能できそうだが、見終わってみると意外に物足りなさが残るのも事実。なにかもうひとつ、バリッと屹立するような圧倒的な存在感のある「絵画」を欲するのは、ないものねだりというものか。

2018/02/13(村田真)

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