2018年09月15日号
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artscapeレビュー

コレクション・ハイライト+特集「女たちの行進」

2018年04月15日号

会期:2018/02/24~2018/06/17

広島市現代美術館[広島県]

コレクション展示室では1階で「コレクション・ハイライト」、B1で特集「女たちの行進」を開催。「ハイライト」のほうはマルセル・デュシャンの《フレッシュ・ウィドー》、ヘンリー・ムーアの《アトム・ピース》、レオン・ゴラブの《ベトナムⅢ》、篠原有司男の《オートバイX-50》など男性作家のみで、マッチョな作品が目立つ。対してB1の「女たちの行進」はもちろん女性作家ばかり。このタイトルは昨年、女性差別的な発言を繰り返すマッチョの固まりみたいなトランプが大統領に就任した直後、全米各地で繰り広げられた「ウィメンズ・マーチ」に由来するものだが、とくにジェンダーやフェミニズムに関連する作品を集めたわけではない。草間彌生のファロス的造形や石内都のモチーフの選択は女性ならではのものだが、ルイーズ・ニーヴェルソン、アグネス・マーチン、田中敦子らの作品からは女性性はあまり感じられない。

一方、女性差別を解消しようという運動はしばしば反戦・反核運動とも結びつく。その代表格が同展最多の6点を出しているナンシー・スペロで、ナチスに対するレジスタンス運動に加わり処刑されたユダヤ人の女性像《マーシャ・ブルスキナ》は、同展のリーフレットの表紙にも使われている。ちなみに彼女のパートナーは1階でベトナム戦争を主題にした大作を出しているレオン・ゴラブで、ともに1996年にヒロシマ賞を受賞した(すでに2人とも故人)。広島市現代美術館ならではのアーティストであり、大きく扱われるゆえんだ。

2018/03/31(村田真)

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