2018年07月15日号
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artscapeレビュー

いまいけぷろじぇくと第7回パフォーマンス・デュオ公演『ずれる、ずらす、ずらされる』

2018年07月01日号

会期:2018/06/16

SCOOL[東京都]

いまいけぷろじぇくとは作曲家兼パフォーマーの今村俊博と池田萠による現代音楽のユニット。2014年以降、半年から1年に1回のペースで公演を続けている。

二人が「演奏」する作品の多くはダンスや演劇などのパフォーミング・アーツに近しい。私はその演奏を見ながら、地点東京デスロックcontact Gonzo、あるいはベケットといった名前を思い浮かべていた。今回演奏された作品のなかにはダンサーの岩渕貞太に「作曲」を委嘱したものもあり、二人のレパートリーとなっている。

今回はゲストパフォーマーに梅棒の野田裕貴を迎え、6人の作曲家による6曲を演奏した。ボイスパフォーマンスもあればチャンスオペレーションによる演奏もあり、バラエティに富んだ作品はそれぞれに興味深かったが、ここでは身体を酷使する今村・池田作品を紹介したい。

今村作曲の「数える人V」では二人の奏者が交互に馬跳びをし合う。奏者は自分が跳んだ回数をカウントしているのだが、それぞれ自分が跳んだ回数をカウントしているため、二人の唱える数字は一致したりひとつズレたりしながら、カウントは50まで続く。単調な繰り返しと疲労、微妙な数字のズレが奏者のミスを誘う。

池田作曲の「いちご香るふんわりブッセ/うさぎのまくら クリーム金時」は枕草子を暗唱する奏者にもう一方の奏者がコンビニスイーツを食べさせ続けるという作品。食べさせられる側はその都度、商品名を口にしなければならない。私が見た回はチョコケーキとプリンクレープ、もちもちスティック(?)にオレンジジュースという組み合わせだった。演奏はすべてのスイーツを食べ切るまで続く。

二人の取り組みの第一義は音楽を問い直すことにあるのだろうが、身体に負荷をかけることで演奏に揺らぎをもたらす手法は、演劇やダンスにも応用可能な思考をはらんでいる。さらなる思考の交流のなかから未知の音楽が、演劇が、ダンスが生まれることを期待したい。

公式ページ:https://goo.gl/1py5Fu

2018/06/16(山﨑健太)

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