2018年09月15日号
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artscapeレビュー

フェルメール光の王国展 2018

2018年09月01日号

会期:2018/07/28~2018/09/02

そごう美術館[神奈川県]

フェルメール好きの生物学者、福岡伸一博士が監修するフェルメールの複製画展。「複製画」というとミもフタもないけど、サイズはもちろんテクスチュアや艶も復元、色も描かれた当時の色彩をなるべく忠実に再現したもので、「リ・クリエイト」と呼ぶ(額縁も現在の所蔵先となるべく同じものを使用)。点数は計37点。これは本当にフェルメール作か疑問のあるものまで含めた最大限の点数だ。展覧会については数年前に銀座で開催されたとき書いたので、ここでは展覧会以外のことに触れたい。

フェルメールは作品点数が少ないうえ小品が多いため、さほど広くないそごう美術館の半分も埋まらない。残りのスペースではフェルメールも描いたヴァージナルやギターなど17世紀の楽器を展示したり、福岡博士のインタビュー映像を流したりしているが、そのなかでおもしろかったのが、フェルメールのコレクションで知られるハーグのマウリッツハイス美術館が博士を起用してつくったCM。ニューヨークにある博士の自室にはマウリッツハイス所蔵の《真珠の耳飾りの少女》の複製画が掛けられているが、同館はこれまでフェルメールの宣伝係を務めてくれた恩返しに、自室にホンモノの《真珠の耳飾りの少女》を掛けようと計画。ただし、さすがにホンモノを貸すわけにはいかないので、逆に博士の部屋をマウリッツハイスに持ってこようというのだ。こうして美術館内に再現された博士の「自室」で、ホンモノの《真珠の耳飾りの少女》が鑑賞できるようになったという映像。なかなかシャレたことをするなあと感心したが、でもこれって西野達のパクリではないか。以前、西野はある美術館のピカソの絵の前に日本の部屋を再現し、「ピカソのある家庭」を実現してみせたからだ。向こうのクリエイターは現代美術をしっかり(ちゃっかり)勉強しているわい。

2018/08/17(村田真)

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