2018年12月01日号
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artscapeレビュー

TalkingKidsHi5『BABY BABY, THIS UNBELIEVABLE LOVE!』

2018年10月15日号

会期:2018/09/14~2018/09/16

The CAVE[神奈川県]

TalkingKidsHi5はダンサー・aokidと彼の呼びかけで集まった俳優・福原冠、ミュージシャン・よだまりえ、タップダンサー・米澤一平、演出家・額田大志のチーム。ひとまずそれぞれにひとつずつ肩書きを付してみたものの、aokidはグラフィック「1_wall」でグランプリを受賞、福原はBlondeLongHair名義でDJとしての活動もしていて、額田はそもそも演出家となる以前からミュージシャンとして人力ミニマルミュージック楽団・東京塩麹を主宰し注目されてきた。よだと米澤もそれぞれ他ジャンルのアーティストとの交流に積極的な活動を展開している。今回のイベントもそんな彼らのオープンさを反映し、複数のジャンルがゆるやかに交流するようなものとなった。

同じくaokidが開催するクロスジャンルなイベントに「どうぶつえん」がある。TalkingKidsHi5がどうぶつえんと大きく異なるのは、パフォーマンスのなかでチーム全員が自らの専門はもちろん、専門外のこともやる点だ。ギターを弾いたりタップを踊ったりするにはそれなりの技術が必要だが、技術はなくとも人は言葉を発し、歌い、手を打ち鳴らし、踊ることができ、その根っこには共通する悦びがある。

ときに失笑を招きつつも全体が(楽しもうと思えば?)楽しめるものになっているのはもちろんチームに各ジャンルのプロフェッショナルがいるおかげだが、専門外のパフォーマンスが含まれているがゆえに必ずしも全体の完成度は高いとは言えない。内輪向けのイベントと受け取られかねない危うさもある。だが、音楽もダンスも同じように楽しむ彼らの姿は、ときにはにかみつつも軽やかで力みがない。ジャンルの間の、演者と観客との間の(あるいはもっとさまざまな?)壁がない世界がありえることのリアライズ。自然であることこそが自然となることを誘いやがて未来を変える。先日発売された東京塩麹の2ndアルバムのタイトルは『You Can Dance』というのだった。

[撮影:ShinichiroIshihara]

TalkingKidsHi5:https://talkingkidshifive.tumblr.com/
どうぶつえん:https://doubutsuenzoo.tumblr.com/

2018/09/16(山﨑健太)

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