artscapeレビュー

氾濫するイメージ──反芸術以後の印刷メディアと美術 1960’sー1970’s

2009年01月15日号

会期:11月5日~1月25日

うらわ美術館[埼玉県]

60年代から70年代の印刷メディアにおける視覚的なイメージを紹介する展覧会。赤瀬川原平、木村恒久、中村宏、つげ義春、タイガー立石、宇野亜喜良、粟津潔、横尾忠則による作品、じつに500点あまりが展示された。政治的・社会的なメッセージが原色によって織り込まれたポスターや表紙、挿絵、絵画、コラージュ写真、漫画などを見ていくと、時代の匂いにむせ返ると同時に、印刷メディア自体が困難を迎えている今となっては、その時代への羨望の念を抱かずにいられない。これからの時代はほんとうに貧しくなってゆくばかりで、気が滅入る。

2008/12/12(金)(福住廉)

artscapeレビュー /relation/e_00000114.json l 1195462

2009年01月15日号の
artscapeレビュー