artscapeレビュー

黒沢美香&ダンサーズ「家内工場」

2009年02月01日号

会期:2009/01/12

スタジオクロちゃん[東京]

黒沢美香は、モダンダンスの世界でまたコンテンポラリーダンスの世界で最重要ダンサー、振付家であったし、いまでもそう。本公演は、彼女と稽古や公演をともにしているダンサー、振付家が集まっての小作品集。会場は稽古場。恩田香、長野れいこ、木檜朱実、岸本あずさの振り付け、その他、朗読やライヴ演奏があった。全体として誠実さは感じる。けれども、正直、物足りない気持ちにもなる。そのなか、黒沢は長野れいこの振り付けで踊った。頭にカセットテープを乗せてゆっくりと歩いて登場。舞台奥からラジカセを取り出して頭にあったテープをセットすると、流れる静かな曲をバックに、柔らかく円を描いてステップを踏んだ。窓から差し込む光だけが照らす、伸びた足先のやりとりは、なんともいえず美しく、ジャンルを超えた「ダンスそのもの」がそこにあった。

2009/01/12(月)(木村覚)

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