artscapeレビュー

束芋 ハウス

2009年03月01日号

会期:2008/12/20~2009/02/14

ギャラリー小柳[東京都]

束芋の新作展。ドールハウスをモチーフとしたアニメーション作品は、以前にも増して身体的な生理感覚を強く感じさせるもので、内側の痛みや痒みを洗い流すカタルシスを寓話的に表わしていた。皮膚を一枚一枚剥がしていき、めくれた内側の肉をさらに深くえぐり出すような、内触覚が大いに刺激される。その内側への志向性を一切の外側を欠いたドールハウスの中で見せているからなのか、小さな穴に引きずりこまれるような吸引力を発していた。その息苦しさが、同時代的な感覚なのかもしれない。

2009/01/21(水)(福住廉)

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