artscapeレビュー

Monochrome Circus+じゅんじゅんScience『D_E_S_K』

2009年08月01日号

会期:2009/07/20~2009/07/26

こまばアゴラ劇場[東京都]

関西を中心に活動するMonochrome Circusと元「水と油」で活動していたじゅんじゅんがテーブルをテーマに4本の作品を上演。ぼくが見たのはその内の3本、その内の2本について。
『まざはし』(振付・演出:坂本公成)は、100本程の食事用ナイフが載ったテーブルがあり、その上に女がその下に男がいて踊る作品。どうしても(どういうわけか)机の外に出られず板に頭を押し付けて逡巡する男に、アズキ色の薄地ワンピースの女は基本的に無頓着。女が蹴り飛ばし床に散らばるナイフは、両者の関係を淡く彩る。けれど、強く惹きつける何かは出てこない。鴻池朋子の絵画世界に似て非なる感じ。変身があったら、物語が寓話へと転換したらどうなるかと思って見ていた。
『deskwork』(じゅんじゅん)は、彼の技であるパントマイムを用い、黒い床に照明がつくる四角をテーブルに見立てる。「騙される」ところにパントマイムの魅力はある。そのトリックに溺れたい見る者の欲求をもっと叶えて欲しかった。〈あるもの〉から〈ないもの〉を見みせるマイムの〈ないもの〉を生み出すために身体を拘束する構造がきわだってきたら、マイムともダンスとも演劇ともいえないなんともユニークな方法が生まれるはずで、きっとそこに目標はあるに違いなく、そのためにこそ騙しのテクを徹底的な仕方で示して欲しかった。

2009/07/26(日)(木村覚)

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