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大正期、再興院展の輝き

2009年10月01日号

会期:2009/09/12~2009/10/25

滋賀県立近代美術館[滋賀県]

今では日本画壇の権威となった院展だが、再興した大正期には在野の立場で文展に挑んでいた事実を再認識した。展覧会は6つの章で構成されているが、速水御舟や小茂田青樹ら細密描写に長けた腕利きが揃う第三章「写実表現の追求」と、冨田渓仙、川端龍子、北野恒富らを紹介した第四章「個性の表現」に見応えがあった。また、酒井三良の作品を(恥ずかしながら)初めて知ったが、その類まれな個性にいたく感心した。在野の雄として官展に対抗した院展だが、そんな彼らの内部でも大正末期には権威化が始まっていたと聞く。いつかその経緯を扱った展覧会を見たいものだ。

2009/09/11(金)(小吹隆文)

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