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松田行正『1000億分の1の太陽系 400万分の1の光速』

2010年01月15日号

発行所:牛若丸

発行日:2009年12月

『線の事件簿』に惚れ込んで以来、いつかは仕事をお願いしたいと思っていた松田行正には、筆者が編集委員長となったことを契機に、二年間『建築雑誌』2008年1月号~2009年12月号のデザインを担当していただいた。印象的な色彩の表紙で覚えている人も多いだろう(なお、1月22日から28日まで、建築会館の1階ギャラリーにて、表紙の展覧会を開催予定)。彼の事務所は、こうした依頼とは別に、好きな本を自主的に制作しており、いつも年末になると、目を楽しませてくれる、実験的な本を発表している。今年は、なんと1p=1250km×600ページというヴォリュームによって、太陽系の大きさを表現した。すなわち、三次元の模型ではなく、厚さ5cmの書物に変換された天球儀である。その結果、ひたすら線だけのページが続き、カッコいい。

2009/12/31(木)(五十嵐太郎)

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