artscapeレビュー

絵画の庭 ゼロ年代日本の地平から

2010年02月01日号

会期:2010/01/16~2010/04/04

国立国際美術館[大阪府]

1990年代以降の絵画シーンを語るうえで外すことのできない“具象的傾向”を持つ作家たちをまとめて紹介。奈良美智、小林孝亘、O JUN、会田誠ら90年代後半に頭角を現わした世代と、ゼロ年代に登場した若い世代28作家が一堂に会した。また、世代的には異質だが、草間彌生が2004年に描いた未発表の連作絵画も出品された。具象的傾向といっても作品の様相はバラエティに富み、主催者も何らかの結論を打ち出すつもりはないようだ。ここから何を見つけ、どんな主張を導き出すのか。議論のお膳立てをした点に本展の意義はあるのだろう。初日前の記者発表には出品作家のほとんどが来場していたが、30歳前後の若い作家が半数以上を占めていたのではないか。その華やいだ雰囲気を前に「うわー、こんなに若くても国立美術館で発表できるのか」とオヤジ臭い感慨を抱いた筆者(45歳)であった。

2010/01/15(金)(小吹隆文)

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