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麗子登場!!──名画100年・美の競演 神奈川県立近代美術館×兵庫県立美術館

2010年07月01日号

会期:2010/06/15~2010/07/19

兵庫県立美術館[兵庫県]

日本初の公立近代美術館である神奈川県立近代美術館と、2番目の兵庫県立美術館(開館当時は兵庫県立近代美術館)のコレクションを融合して、日本近代美術100年の歴史を振り返った。見どころは、岸田劉生の《麗子像》と岸田の自画像による父娘再会や、松本竣介《立てる像》と小磯良平《斉唱》の2大スター絵画共演といった分かりやすい演出が施されている点。美術通にはベタかもしれないが、ビギナー目線で見ればこれくらいサービスしてくれた方がとっつきやすい。小出楢重の作風の変遷をたどったり、清水登之のアメリカ時代の作品とパリ時代の作品を見比べるなど、渋めの演出も見られるので、洋画ファンも決して退屈しないはずだ。しかし、こうして100年間の蓄積を一覧すると、日本の近代美術が一貫して西洋にコンプレックスを抱き続けてきたことがよくわかる。1世紀にわたる片思いの軌跡を前に、切ない気持ちがこみ上げてきた。

2010/06/15(火)(小吹隆文)

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