2017年06月15日号
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artscapeレビュー

村越としや/山方伸「ながめる まなざす Division-2」

2010年07月15日号

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会期:2010/06/04~2010/06/22

アップフィールドギャラリー[東京都]

雅博の企画で「風景と写真を巡る今日的状況」を問い直すという連続展。第1期は相馬泰、西山功一、横澤進一、吉村朗、第2期は村越としや、山方伸、第3期は荒木一真、南條敏之、箱山直子、 雅博が参加している。そのうち第2期の村越と山方の展示を見ることができた。
「地方」の農村地帯(山方は奈良県南部、村越は福島県が中心)を撮影しているということ以外は、二人の風景への取組みにはあまり共通項はない。山方は山村の建物や道や畑などがモザイク状に寄せ集められた眺めに執着し、村越は均質な湿り気のある光と空気の層で風景の全体を塗り込めていく。分析的で客観的な観察を基本とする山方に対して、村越の方は風景に自らの思いを解き放ち、そこに溶け込んでいこうとしているようだ。どちらがいい、悪いというのではなく、このような対照的なアプローチが隣り合って並んでいるところに、風景写真の「今日的状況」を見ることもできそうだ。
サードディストリクトギャラリーのストリート・スナップの連続展もそうなのだが、このところ写真という表現手段そのものの成り立ちを問い直す試みが目立ってきている。ただ、この「ながめる まなざす」展でも、どうも内向きにそのジャンルにおける完成度を競い合うというようなところがないわけではない。日本の写真家たちがこれまで積み上げてきた表現の質を保ちつつ、もっと外部に向けて開いていく工夫も必要ではないだろうか。

2010/06/20(日)(飯沢耕太郎)

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