artscapeレビュー

カタログ&ブックス│2010年10月

2010年10月15日号

展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

現代建築家コンセプト・シリーズ別冊1 藤本壮介|武蔵野美術大学美術館・図書館

著者:藤本壮介
写真:阿野太一、石川直樹、笹岡啓子
発行日:2010年10月10日
発行:INAX出版
定価:2,205円(税込)
サイズ:314×257mm、64ページ(オールカラー)

海外からも注目を集める若手建築家、藤本壮介の《武蔵野美術大学 美術館・図書館》がいよいよ竣工した。地上2階分の大きな書棚が螺旋を描き、連続と断絶、求心と拡散が同居する図書館。この森のような、洞窟のような、原初的な未来の建築は、新たな建築の時代のはじまりをつげる。本書はこの《武蔵野美術大学 美術館・図書館》のさまざまな表情を3人の写真家による撮り下ろし写真であますところなく表現する。その建築写真には、阿野太一、笹岡啓子、石川直樹の3人を起用。バイリンガル。


石上純也作品写真集 balloon & gardens junya ishigami

著者:石上純也
発行日:2010年9月
発売元:アートイット
定価:2,940円(税込)
サイズ:420×296mm

ヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞した石上淳也の作品集。A3サイズで構成された大きな本で、内容は四角いふうせんとlittle gardensの出来るまでを追ったドキュメンタリー的な部分と作品そのものを撮った写真で構成。


文化財アーカイブの現場──前夜と現在、そのゆくえ

著者:福森大二郎
発行日:2010年4月10日
発行:勉誠出版
定価:2940円(税込)
サイズ:四六判、172ページ

日本の“こころ”と“かたち”をデジタルで記す。豊富な具体例を交えながら、文化財アーカイブのプロセスや現状、問題点をわかりやすくまとめた一冊。[本書帯より]


TOKYO METABOLIZING

著者:北山恒+塚本由晴+西沢立衛
発行日:2010年7月25日
発行:TOTO出版
定価:1,575円
サイズ:B5変、144ページ

東京が生んだ〈新しい建築〉が、都市をゆるやかに最適化する──2010年8月末から開催される第12回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館の公式カタログ。《ハウス&アトリエ・ワン》《森山邸》などを設計者自身が詳しく解説。


現代建築家コンセプト・シリーズ7 佐藤淳──佐藤淳構造設計事務所のアイテム

著者:佐藤淳
発行日:2010年9月20日
発行:INAX出版
定価:1,890円(税込)
サイズ:A5判、160ページ(オールカラー)

「現代建築家コンセプト・シリーズ」第7弾は、構造家・佐藤淳の発想をまとめた一冊。《公立はこだて未来大学研究棟》《四角いふうせん/Balloon》など、2000年以降の数々の建築を、新たな設計理念によって実現させてきた構造家・佐藤淳。本書では、佐藤淳構造設計事務所が実務のなかで生み出してきた考え方や設計ツール、現場での経験を「アイテム」として紹介する。佐藤事務所で実際に使用されている「オリジナル素材リスト」や「解析プログラムコード」も収録。構造設計のメソッドがわかる実践の記録。バイリンガル。


夢みる家具 森谷延雄の世界

著者:小泉和子、本橋浩介、敷田弘子、森谷延周
発行日:2010年9月15日
発行:INAX出版
定価:1,575円(税込)
サイズ:210mm×205mm

NAXギャラリーにおける「夢みる家具/森谷延雄の世界」展のブックレット。33歳で夭折した家具デザイナー・森谷延雄の仕事を紹介。独自の自由な表現を室内装飾に施した森谷の人間像を、彼が残した数々の言葉をクローズアップしながら、現存する希少な作品群をとおして浮かび上がらせる。ときとして酷評をあびながらも、家具をもって自らを表現し続けた、森谷延雄のロマンティシズムを紹介する一冊。

2010/10/15(金)(artscape編集部)

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