artscapeレビュー

しんぞう×窪澤瑛子 二人展「荒野をおよぐ land swimming」

2010年12月15日号

会期:2010/11/20~2010/12/12

竜宮美術旅館[神奈川県]

和洋折衷のドキッチュなラブホを改装した竜宮美術旅館。この魅力的な場所で注目されるには場所以上に作品が魅力的でなければならない。しかもこういう場所では絵画よりも、サイズや形態が可変的なインスタレーションのほうがふさわしい。絵画にとってはハードルが高いのだ。しかし今回しんぞうの絵画はそれをクリアしていたように思う。それはおそらく、彼女(しんぞうは女性だった)の絵が死体のような不吉なにおいを漂わせているからであり、それが性=生を象徴するラブホの空間と拮抗しえたからではないか。インスタレーションの窪澤はまだ力不足の感がぬぐえない。経験の差か。

2010/11/22(月)(村田真)

2010年12月15日号の
artscapeレビュー