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多和圭三 展 鉄を叩く

2011年02月01日号

会期:2010/11/13~2011/01/09

目黒区美術館[東京都]

鉄の塊を玄翁で打ち続ける多和圭三の個展。足利市立美術館からの巡回展だが、今回のほうが見劣りして見えたのはいったいどういうわけか。広い空間に鉄の立方体を配置するレイアウトが不適切だったからなのか、照明に工夫が足りなかったからなのか。打撃の金属音が一定のリズムにしたがっているように、足利の展示は心地よいテンポで鑑賞することができたにもかかわらず、目黒の展示はてんでバラバラで、不協和音にすら達していなかった。展示場の床面をすべて引き剥がし、剥き出しのコンクリートの上に作品を設置した展示方法も、作品の表面的な暴力性と共振させようとしたのだろうが、作品が背景に埋没してしまい、細部の繊細な造形を見えにくくしてしまっていたように思う。

2011/01/09(日)(福住廉)

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