2018年01月15日号
次回2月1日更新予定

artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

あいちトリエンナーレ実行委員会有識者部会および運営会議

会期:2017/10/20

愛知芸術文化センター[愛知県]

あいちトリエンナーレの会議に出席する。芸術監督をつとめる津田大介が掲げるテーマ「情の時代 Taming Y/Our Passion」が発表された。タイトルは「じょう」とも「なさけ」とも読めて、強めの表現の英語タイトルは直訳というよりも、サブタイトルとして読める多義性をもったものである。また名古屋的な金と紫のカラーによるロゴも強烈だった。なお、プレゼンテーションでは、代表的な国際展のヴェネツィア・ビエンナーレをA=博覧会型、ドクメンタをB=テーマ型、ミュンスターをC=サイトスペシフィック型と分類しつつ、これまでのあいちトリエンナーレの2010年をA+C、2013年をB+C、2016年をA+Bと位置づけ、2019年はB+Cに近いタイプになることが説明された。

2017/10/20(金)(五十嵐太郎)

ランス美術館展

会期:0017/10/07~2017/12/03

名古屋市美術館[愛知県]

1階は17世紀以降のフランスの美術史をたどる内容で、目玉はダヴィッドの「マラーの死」である。一方で2階は戦後、フランスに帰化した藤田嗣治のコレクションを紹介する。特に彼が壁画やステンドグラスを手がけ、建設したランスのフジタ礼拝堂に関する下絵などが充実していた。

2017/10/20(金)(五十嵐太郎)

artscapeレビュー /relation/e_00041481.json s 10141291

長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー

会期:2017/10/06~2017/11/19

愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)[愛知県]

師匠の応挙と比較したり、無量寺のふすま絵による空間を再現する、工夫を凝らした内容だった。やはり、建築を意識して描かれた絵画は、インスタレーションによって、美術館でも空間の雰囲気を体験できるとありがたい。猫目の虎や犬など、かわいらしいキャラや漫画タッチの絵、大胆な余白や構図、デザイン的な構成、書道の延長のようなドリッピングやステイニング的な手法など、現代アートの視点から見てもなかなか面白い。

2017/10/20(金)(五十嵐太郎)

artscapeレビュー /relation/e_00041466.json s 10141290

世運商街

[韓国、ソウル]

久しぶりに清渓川沿いに歩く。高架の道路を取り除き、その下にかつて存在した川を再現したプロジェクトである。完成直後はよそよそしい感じだったが、だいぶ植物がなじんでいた。1960年代に建設された金壽根によるメガストラクチャー、世運商街を見学する。メタボリズムが好みそうなリニアーに続く巨大建築だった。リノベーションによって、屋上の展望エリアや宗廟に面した広場などが整備され、新しい賑わいの創出に貢献していた。地下では、ソウル建築都市ビエンナーレの企画として、市の建築プロジェクト群を紹介し、来年庁舎の向かいにオープンする予定の建築博物館も含む。

2017/10/19(木)(五十嵐太郎)

《文化駅ソウル284》《ソウル路7017》

[韓国、ソウル]

日本統治時代につくられた旧ソウル駅舎は、現在、《文化駅ソウル284》と名づけられ、展示スペースなどに活用されている。ただし、駅そのものの歴史展示は面白かったが、企画展のコンテンツはまだハードに追いついていない感じがする。とはいえ、近代建築をまずはきちんと保存していることは重要だろう。使い方はこれからブラッシュアップすればよい。ちなみに、旧駅舎の正面広場で行なわれていた青空カラオケ大会の轟音が凄かった! そして、いまの市長が推進した今年誕生の新名所、《ソウル路7017》を体験する。1970年に建設された駅の線路をまたぐ車道だったものを、ニューヨークのハイラインのように、歩行者専用の公共空間に変えたプロジェクトである。国際コンペに勝利したMVRDVが設計を手がけ、円筒をモチーフに植栽、キオスク、垂直導線など、各種の機能を散りばめ、新しい観光地となっていた。東京の日本橋と首都高の議論の場合、こういうダイナミックな発想がないことは残念である。

写真:上=《文化駅ソウル284》 下=《ソウル路7017》

2017/10/19(木)(五十嵐太郎)

文字の大きさ