2018年01月15日号
次回2月1日更新予定

artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

世運商街

[韓国、ソウル]

久しぶりに清渓川沿いに歩く。高架の道路を取り除き、その下にかつて存在した川を再現したプロジェクトである。完成直後はよそよそしい感じだったが、だいぶ植物がなじんでいた。1960年代に建設された金壽根によるメガストラクチャー、世運商街を見学する。メタボリズムが好みそうなリニアーに続く巨大建築だった。リノベーションによって、屋上の展望エリアや宗廟に面した広場などが整備され、新しい賑わいの創出に貢献していた。地下では、ソウル建築都市ビエンナーレの企画として、市の建築プロジェクト群を紹介し、来年庁舎の向かいにオープンする予定の建築博物館も含む。

2017/10/19(木)(五十嵐太郎)

《文化駅ソウル284》《ソウル路7017》

[韓国、ソウル]

日本統治時代につくられた旧ソウル駅舎は、現在、《文化駅ソウル284》と名づけられ、展示スペースなどに活用されている。ただし、駅そのものの歴史展示は面白かったが、企画展のコンテンツはまだハードに追いついていない感じがする。とはいえ、近代建築をまずはきちんと保存していることは重要だろう。使い方はこれからブラッシュアップすればよい。ちなみに、旧駅舎の正面広場で行なわれていた青空カラオケ大会の轟音が凄かった! そして、いまの市長が推進した今年誕生の新名所、《ソウル路7017》を体験する。1970年に建設された駅の線路をまたぐ車道だったものを、ニューヨークのハイラインのように、歩行者専用の公共空間に変えたプロジェクトである。国際コンペに勝利したMVRDVが設計を手がけ、円筒をモチーフに植栽、キオスク、垂直導線など、各種の機能を散りばめ、新しい観光地となっていた。東京の日本橋と首都高の議論の場合、こういうダイナミックな発想がないことは残念である。

写真:上=《文化駅ソウル284》 下=《ソウル路7017》

2017/10/19(木)(五十嵐太郎)

敦義門博物館マウル

[韓国、ソウル]

敦義門博物館マウルは、ソウル建築都市ビエンナーレのもうひとつの主要会場だが、オープンしたばかりの施設である。その名称から移築系の屋外博物館かと思いきや、実はマンションの大規模な開発に伴い、公開空地とするはずの街区の建築をまるごと保存した、ありそうでなかったプロジェクトだった。ゆえに、路地を含む20世紀の普通の街並みが残された。すでにカフェやレストランも入っているが、今後これらの建築群をどう活用するかも検討中だという。

2017/10/18(水)(五十嵐太郎)

ロッテワールドタワー《ソウル・スカイ》

[韓国、ソウル]

高さ555mの《ソウル・スカイ》の造形は、それほど印象的ではない。もっとも、展望エリアでは、足下が透けたり、屋外に出られる箇所を設け、エンターテインメント性を付加している。ここから周囲を見ると、金寿根らが手がけたオリンピックの施設群が視界に入る。また都心だと気づかないが、ソウルがいまも建設が続く高層団地都市であることがわかる。《ソウル・スカイ》の下部は、螺旋階段が絡まり合う吹抜けをもつショッピングモールだ。周囲には、ここでもジャウメ・プレンサの彫刻! が設置されている。ついでに、道路を挟んで向かいにあるロッテ百貨店のトレビの泉のレプリカや、ロッテ・ワールドも久しぶりにちらりとのぞく。さすがにテーマパークは時代物になってきたが、小中学生にはまだ人気があるようだ。

写真:上=オリンピックの施設群 中=ショッピングモール 下=ロッテ・ワールド

2017/10/16(月)(五十嵐太郎)

景福宮

[韓国、ソウル]

景福宮は三度目の訪問だが、前回と大きく様子が違うのは、王朝風のレンタル・コスプレをした女性の観光客が大量にいて、あちこちで記念撮影していたこと(現在、京都の太秦映画村もそうなっているが)。なお、景福宮の建築群を注意深く観察すると、20世紀後半に復元された施設が結構多い。近年のものや現在進行形の復元もある。20世紀前半から中盤にかけて、景福宮ではパリヴィリオン群を建て、博覧会を時々開催していたが、こうした失われた過去への回帰志向も、1995年の旧朝鮮総督府の解体を後押ししたことがわかる。国立民俗博物館は、古建築を模した外観がユニークというかベタである。展示は歴史、仕事、生涯等の切り口から、韓国人の生活を紹介する。企画展示はゴミとリサイクルだった。また国立古宮博物館は、王室の歴史、文化、生活に関する展示を行なう。徳寿宮での近代化=洋風化した生活や食事化も紹介していた。それにしても国立の施設は入場料が安かったり、無料だったりで素晴らしい。歴史や文化を広く知ってもらうためだろう。

写真:上=景福宮勤政殿 中=国立民俗博物館 下=国立古宮博物館

2017/10/16(月)(五十嵐太郎)

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