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2014年09月15日号のレビュー/プレビュー

STAND BY ME ドラえもん

映画『スタンドバイミー ドラえもん』(監督:八木竜一、山崎貴)を見る。建築模型+キャラCGの描写が生みだした独自の空間感は評価できる。新作の脚本ではなく、原作の良さを再認識させる有名なエピソードを束ねたのも悪くない。成長物語の泣きをやや強調し過ぎのところもあるが、今回の山崎監督には騙されてよいと思った。彼の実写だと鼻につくような過剰な演出や悪ふざけも、マンガだと、逆にこれくらいでちょうどいい感じである。『スタンドバイミー』のCGだが、『ドラえもん』については最初から違和感がなく、人物ははじめ少し引っかかったが、途中から気にならなくなった。が、さすがのアクション・シーンを演出したタケコプター以外、CG表現の必然性はそれほどでもない。

2014/08/13(水)(五十嵐太郎)

「アート・スコープ2012-2014」──旅の後(あと)もしくは痕(あと)

会期:2014/07/12~2014/10/13

原美術館[東京都]

ダイムラーがサポートする日本とドイツの作家交換プログラムの成果を発表するシリーズである。ベネディクト・バーテンハイマーの防護服を着用した人が日常風景に佇む映像と、今村遼佑のあまりにもささやかな日常への干渉の作品が印象に残る。

2014/08/13(水)(五十嵐太郎)

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夏休み企画展「イマジネーション・スーパーハイウェイ」

会期:2014/07/12~2014/08/17

京都芸術センター[京都府]

京都芸術センター恒例の夏休み企画展。今年は、井上大輔,牛島光太郎,濱口直巳の3名のアーティストの作品が展示された。「考えることを止めたら、きっときみは後悔する」という副題をもつ本展は、彼らの作品から創造することの原点を見つめ、その面白さや、新たな表現の可能性を探ろうというもの。言葉(物語)を刺繍で綴った牛島の一連の作品、音のリズムを繊細な造形で表現した濱口の空間インスタレーション《音景 no. 8─京都芸術センターの場合》、密やかに時の流れを示す井上の《未在》と、イメージの連想を誘う各々の作品は、それぞれ作家たちが向き合うものへのまなざしを浮かび上がらせるもので、余韻を残す。どれも静かな佇まいではあるが印象に残る展覧会であった。

2014/08/13(水)(酒井千穂)

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開催50周年記念よみがえる東京オリンピック

会期:2014/07/19~2014/09/28

神奈川県立歴史博物館[神奈川県]

東京ばかりに目が向きがちだが、神奈川エリアでの聖火リレーのほか、江ノ島のヨットや相模湖のカヌー、横浜文化体育館のバレー、三ツ沢のサッカーなど、同県内の競技を軸に、当時の様子を振り返る。当時の動員と熱狂を振り返りながら、改めて国家的イベントなのだと実感する。

2014/08/14(木)(五十嵐太郎)

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エヴァンゲリオン展

会期:2014/07/19~2014/09/07

そごう美術館[神奈川県]

5ヶ所目の巡回地となる横浜のそごう美術館にて、ようやくエヴァンゲリオン展を見ることができた。前半は新劇場版の第八使徒攻防戦のメイキング(今見ると、このシーンは津波の予言のようだ)、後半は基本設定から各エピソードまで、徹底的に生原画を紹介する。ある意味で展示デザインを破壊しかねない、圧倒的な数の手描きを並べることによって、創造の熱気を伝えていた。

2014/08/14(木)(五十嵐太郎)

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2014年09月15日号の
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