2018年04月15日号
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artscapeレビュー

2015年02月15日号のレビュー/プレビュー

911メモリアル・ミュージアム

[アメリカ合衆国ニューヨーク市]

久しぶりにニューヨークのグラウンド・ゼロを訪れた。デヴィッド・チャイルズや槇文彦が手がけたタワーはすでに完成し、カラトラヴァの駅も全容をあらわし、続けてノーマン・フォスターやリチャード・ロジャースによる高層ビルの現場も動いている。世界貿易センタービルの跡地は、2011年から二段のプールとなっていたが、2014年にその地下空間を使う911メモリアル・ミュージアム(スノヘッタ、2014)がオープンした。失われた超高層のヴォイドとしての水場の真下は、基礎、残骸、土木工事の痕跡などが残り、まるで古代の遺跡を見るような大空間である。正直、ここはもっと情緒的な施設なのかと思っていたら、膨大な資料と情報を提示し、何が起きていたのかを多視点から伝えるファクトをたんたんと積み重ねていく、すさまじい博物館だった。特に当時の声と証言を組み合わせた、音のドキュメントが分厚く、緊迫感を想像させる。911メモリアル・ミュージアムは、3時間近くいたが、最後は駆け足でまわる程のヴォリューム感だった。また1993年のテロも含む、犠牲者の追悼空間もあるが、彼らは匿名の市民ではなく、一人一人に名前と歴史があることをたんたんと伝える。

左:地下防水壁の遺構 右:最後の柱


2015/01/01(木)(五十嵐太郎)

New Amsterdam Plein & Pavilion

[アメリカ合衆国ニューヨーク市]

マンハッタンの南端に移動し、オランダからニューヨークに贈られた、UN STUDIOの設計による、小さなニュー・アムステルダム・パビリオン(2011)を見る。冬季は閉店中だったが、それほど大きくないので、内部ものぞくと、雰囲気はわかる。空間が魅力的なわけでもないし、造形がびっくりするほどカッコいいわけでもない。またディテールもないし、コンピュータをぐりぐりやったらできます、というだけでは、ちょっと残念な建築である。

2015/01/01(木)(五十嵐太郎)

ユダヤ遺産博物館

[アメリカ合衆国ニューヨーク市]

続いて、摩天楼博物館に行こうとしたらお休みで、向かいにユダヤ遺産博物館(ケヴィン・ローチ、1997)を見つけて入る。911ミュージアムと同様、歴史と記録へのこだわりが感じられる施設だった。展示が終わって、上階から海を眺めると、窓から自由の女神とエリス島がよく見える。東欧からアメリカに多くのユダヤの民が移住したことを踏まえての立地だろうか。

2015/01/01(木)(五十嵐太郎)

マンマ・ミーア!

会期:2015/01/01

ブロードウェイ[アメリカ合衆国ニューヨーク市]

ミュージカル「マンマ・ミーア!」を観劇した。ホワイエなしで入口からいきなり客席というすごいプランの劇場である。母の元カレ三人の職業が、建築家、作家、銀行家で、少女漫画みたいな設定の話だ。建築家というのは、憧れのロマンティックな仕事なのである。しかし、やはりABBAの、なんとなく英語が拙い、かわいらしい歌の力で、そうした邪念がすべて吹き飛ぶ。1970年代のキラキラした多幸感、おそるべしだ。

2015/01/01(木)(五十嵐太郎)

ミュータント・タートルズ

帰りの機内にて、『ミュータント・タートルズ』(監督:ジョナサン・リーベスマン)を見る。忍者の戦法+ルネサンスの画家の名前+ヒップホップ好きの亀がニューヨークで暴れるという、無茶苦茶な設定の漫画の実写化だ。かといってミュータント・タートルズを記号化することなく、リアルに描くが、意外に違和感がない。摩天楼の屋上と下水道の行き来、クライマックスの雪上の急滑降など、垂直移動するジェットコースター的なシーンが、映像的な見せ場になっている。

2015/01/02(金)(五十嵐太郎)

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