2018年07月15日号
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artscapeレビュー

2016年02月15日号のレビュー/プレビュー

黒蜥蜴

会期:2016/01/16~2016/02/07

静岡芸術劇場[静岡県]

美を追求する女賊の演劇『黒蜥蜴』@静岡芸術劇場。東京タワー、船上、私設美術館などを表現する、単管で階段やアーチを組み上げた、これまでになく高さを生かした大がかりな舞台装置は、かなり好みである。乱歩/三島由紀夫の言葉はやや理詰めで堅苦しいが、掛け合いで演奏される音楽が伴うことで、リズム感を生み出す。

2016/01/16(土)(五十嵐太郎)

オノ・ヨーコ 私の窓から

会期:2015/11/08~2016/02/14

東京都現代美術館[東京都]

オリンピックを踏まえてだろうが、今回の展示は、代表的な現代アート作品よりも、東京あるいは日本と彼女のかかわりや活動に焦点を当て、1960年代の歴史的な資料もいろいろ出ている。建築とのつながりでは、自由学園で音楽教育を受けていたことが興味深い。当時の幼い写真まで残っていた。

2016/01/17(日)(五十嵐太郎)

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東京アートミーティングVI“TOKYO”──見えない都市を見せる

会期:2015/11/07~2016/02/14

東京都現代美術館[東京都]

やはり東京に焦点を当てた「見えない都市を見せる TOKYO」展@MOT。これは圧倒的にYMO+宮沢章夫が面白い。全部これでもいいくらいだ。ロシア構成主義の引用など、YMOの視覚へのこだわりも確認できる。結局、音楽も最後は美術館にいくのだと痛感した。業界は権利の囲い込みには熱心だが、アーカイブや歴史をちゃんと位置づける音楽専門のミュージアムがないことを感じた。「美術」の制度はあり、その拡張もしやすいからなのだが。ホンマタカシもキュレーションを行ない、丹下の国立代々木競技場や二重螺旋の家が組み込まれていた。

写真:上=YMO、下=ホンマタカシ

2016/01/17(日)(五十嵐太郎)

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フィジカルシアターカンパニーGERO 旗揚げ公演「くちからでる」

会期:2016/01/15~2016/01/17

KAAT神奈川芸術劇場[神奈川県]

伊藤キム率いるGERO旗揚げ公演『くちからでる』@KAAT。ジェルミナルが演劇的にコミュニケーションの進化を見せたのに対し、これは身体を徹底的に追いつめて、そこから絞り出される言葉の発生に立会う。決して広くはない場に出自の違う8人が衝突するかのように動き、ドリッピング的な軌跡を描く。

2016/01/17(日)(五十嵐太郎)

はじまり、美の饗宴展──すばらしき大原美術館コレクション

会期:2016/01/20~2016/04/04

国立新美術館[東京都]

倉敷にある大原美術館のコレクション展。展示室に入ると、いきなり場違いな古代エジプトやオリエントの美術品が並んでいて面食らうが、昔のコレクターは啓蒙的だったのか、美術史どおり古代から律儀に集めたようだ。次の部屋にはエル・グレコの《受胎告知》が掲げられ、奥にはモロー《雅歌》、モネ《睡蓮》、ゴーギャン《かぐわしき大地》、セガンティーニ《アルプスの真昼》など近代絵画の名品がごっそり並んでいる。ここで疑問その1。大原美術館は休館中というわけでもなさそうなのに、こんな大量に目玉作品を貸し出して大丈夫だろうか。わざわざ倉敷までエル・グレコや印象派絵画を見に行った人はがっかりするんじゃないか、と余計な心配をしてしまう。疑問その2。まだ展覧会の3分の1も来てないのにもう有名作品が出尽くしてしまって、後が続くんだろうか。この疑問はすぐに解けた。大原美術館は西洋名画のコレクションが有名だけど、数からいえば日本の近代・現代美術や工芸品が圧倒的に多いのだ。日本の近代では同館コレクションの基礎を築いた児島虎次郎の《和服を着たベルギーの少女》をはじめ、岸田劉生、関根正二、藤田嗣治、安井曾太郎、棟方志功らの代表作がズラリ。最後の部屋は「VOCA展」の授賞作品や滞在制作事業「ARKO」で収集した辰野登恵子、福田美蘭、やなぎみわ、町田久美ら(なぜか女性作家が多い)のペインティングを中心とする作品に占められている。こうしてみると、日本の美術館としては老舗といわれながらもまだ設立100年足らず、今後ますます現代美術の比重が増し、美術館の方向性も少しずつ転換していかざるをえないだろう。

2016/01/19(火)(村田真)

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