2018年10月15日号
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artscapeレビュー

2016年04月15日号のレビュー/プレビュー

A Japanese Constellation: Toyo Ito, SANNA, and Beyond

会期:2016/03/13~2016/07/04

MoMA(ニューヨーク近代美術館)[アメリカ、ニューヨーク]

ニューヨークに到着し、MoMAの「A Japanese Constellation」展を見る。同館で特定の国に限定した建築展は過去にほとんど例がなく、日本の建築家に焦点を当てた企画は初めてらしい。展示は伊東豊雄で始まり、《せんだいメディアテーク》から《台中国立歌劇院》までを紹介する。その後は伊東スクールが続く。次にSANAAと妹島和世の展示エリアが設けられ、次に西沢立衛が間に入って、若手として石上純也、藤本壮介、平田晃久が三列で奥に並ぶ。こうした師弟関係の系譜を描けるのは、海外ではあまり例がなく、おそらく日本の建築界の特徴だろう。映像はややぼやけてしまうが、白く薄い三重の膜で仕切り、プロジェクションを行なう展示が美しい。そして展示の最後は、みんなの家のプロジェクト群である。最近いつも寒い時期にニューヨークに滞在したが、3月はいい天気で、中庭に多くの人が和む。ほかの企画としては、マルセル・ブロータス、戦争、写真、ジャクソン・ポロック、エンドレス・ハウス(準備中)などが行なわれていた。日本人では、志賀理江子の螺旋海岸シリーズの一部が展示され、いつものように床置きとなっていた。

写真:左=上から、A Japanese Constellation入り口、伊東豊雄、SANAA、石上純也、藤本壮介、平田晃久、右=上から、みんなの家プロジェクト群、マルセル・ブロータス、ジャクソン・ポロック、志賀理江子

2016/03/09(水)(五十嵐太郎)

Laura Poitras: Astro Noise

会期:2016/02/05~2016/05/01

ホイットニー美術館[アメリカ、ニューヨーク]

最寄駅から新生ホイットニー美術館に向かう途中、石上純也の旧ヨウジヤマモト店に出くわす。今回はテナントが半分入っていた。ホイットニー美術館は、シカゴの美術館増築と同様、レンゾ・ピアノの安定した設計で、やはり失敗がない。8階、7階、6階など、展示室から続く屋外テラスの開放感とマンハッタンの眺めが抜群にいい。ホイットニー美術館では、アメリカ現代美術の常設と、政治・社会×テクノロジーの色彩が強いLaura Poitrasの企画展を開催していた。後者はトップライトを使わず、建築の本領発揮ではないが、5階のオープンプランは巨大空間を壁なしでそのまま使うアート企画である。なるほど、とんでもなく広い。ニューヨークでは最大の無柱の展示室らしい。

写真:上から、旧ヨウジヤマモト店、ホイットニー美術館

2016/03/10(木)(五十嵐太郎)

TARYN SIMON

会期:2016/02/18~2016/03/26

ガゴシアン・ギャラリー[アメリカ、ニューヨーク]

ホイットニー美術館の足元から始まるハイラインに沿って北上する。厳寒時とは違い、春は多くの人が憩いの場として楽しむ。ハイラインはさらに北に延長され、さまざまな仕掛けの場も増えたようだ。途中で一度降りて、ガゴシアン・ギャラリーを訪れる。タリン・サイモン展は、一見生花のような写真だが、そこに意味を込める。ともあれ、ハイラインは相変わらず、カッコいいと同時に新しい公共の場所をつくり出すことに成功している。日本の景観派は首都高解体さえすればいいとか、渋谷川復活とかの後向きだが、他の可能性を考えられないものか。

写真:左=上から、ハイラインとホイットニー美術館、ハイライン、右=上から、ハイライン、ガゴシアン・ギャラリー

2016/03/10(木)(五十嵐太郎)

《ワールド・トレード・センター・トランスポーテーション・ハブ》

[アメリカ、ニューヨーク]

竣工:2016年

続いてグラウンドゼロに向かい、完成したカラトラヴァの《WTCトランスポーテーション・センター》を見学する。超高層ビル群はやや凡庸だが、足元にアイコンを入れてバランスをとっている。

2016/03/10(木)(五十嵐太郎)

In the Wake: Japanese Photographers Respond to 3/11

会期:2016/03/11~2016/06/12

Japan Society Gallery[アメリカ、ニューヨーク]

吉村順三が設計したニューヨークの《ジャパン・ソサエティ》へ。和風の表現として、ルーバーの利用は、ここからすでに始まっていた。そしてギャラリーの「In the Wake: Japanese Photographers Respond to 3/11」展のオープニングに出席する。ボストン美術館からの巡回であり、畠山直哉、米田知子、志賀理江子、荒木経惟、北島敬三ほか、日本では馴染みの写真家の作品が海外で集結している。なお、会場の構成、作家の順番は大幅に変えたようだ。ところで、「In the wake」展の名称は、あいちトリエンナーレ2013でも「揺れる大地」の英語タイトルをさんざん議論して「awakening」と決めたので興味深い。オープニングでは、MoMAの日本建築展を企画し、現在はリスボンでミュージアムのディレクターとなったペドロと再会した。

2016/03/10(木)(五十嵐太郎)

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