artscapeレビュー

2017年01月15日号のレビュー/プレビュー

フォトモ作品展

会期:2016/12/14~2016/12/24

東京宝くじドリーム館[東京都]

東京宝くじドリーム館で開催されている糸崎公朗のフォトモ作品展へ。つくり方のノウハウを体験してから見ると、また違って見える。ここの宝くじの歴史展示も興味深い。日本では天保の改革以来、長く禁止されていた宝くじが、1945年に戦費調達のために再開したものの、すぐに敗戦。今度は復興宝くじや、焼け跡の住宅難を踏まえて、一戸建てが当たるくじが出現したという。

2016/12/21(水)(五十嵐太郎)

鈴木理策「Mirror Portrait」

会期:2016/11/26~2016/12/24

タカ・イシイギャラリー東京[東京都]

肖像写真がずらりと並ぶ。が、伏し目がちだったりあらぬ方向を見ていたり、なにか違う。瞳を見ると白い点々が四角く映り込んでいる。じつはこれ、ハーフミラー越しに撮ったもの。ふつう肖像写真を撮るときモデルは撮影者と対面するけど、今回モデルは鏡に映った自分の顔を見ながら撮られたわけだ。もちろん撮られることは知っていたとはいえ、撮影者と対峙するのに比べてリラックスしているように見える。これは性格まで映し出されそうだな。奥の部屋に行くと周囲に電球のついた四角い鏡があった。瞳に映っていたのはこれだ。

2016/12/21(水)(村田真)

戸谷成雄 森X

会期:2016/12/16~2017/02/05

シュウゴアーツ[東京都]

角材をチェーンソーで彫り刻んだ「森」シリーズの展示。機械で彫り込んだとは思えないほど心をざわめかせる表面だ。パッと見、旧作かと思ったら10作目だという。初期のころは1作ごとに彫りが深く激しくなっていったように記憶するが、近年は安定してきたのだろうか。1987年にシリーズの第1作を発表したというから、ならせば3年に1作のペース。全部並べたら壮観だろうな。

2016/12/21(水)(村田真)

ヴァルダ・カイヴァーノ展

会期:2016/12/16~2017/02/04

小山登美夫ギャラリー[東京都]

鉛筆で描いたドローイングの上から薄く溶いた青系の絵具を塗った絵。塗り残しの余白も含めて受験生の油絵を思い出した。もちろん彼女の絵が受験生レベルってことじゃなくて、逆に受験生絵画をもう少し見直したらいいんじゃないかと。

2016/12/21(水)(村田真)

HITOTZUKI「ALTERRAIN」

会期:2016/12/16~2017/01/28

SNOW Contemporary[東京都]

青を貴重にしたシンメトリックな壁画で知られるHITOTZUKIの個展。キャンバスにデジタルな形態を青系のグラデーションで描いているが、よく見ると定規やコンパスを駆使した手描きであることがわかる。やっぱりキャンバスでは物足りないのか、壁にもツタがはうようにペインティングが延びている。ちなみにHITOTZUKI(ヒトツキ)とは男女のコラボレーションユニットで、「日と月」であり、男と女、陰と陽をも意味するそうだ。

2016/12/21(水)(村田真)

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