artscapeレビュー

2009年05月15日号のレビュー/プレビュー

第86回春陽展

会期:2009/04/15~2009/04/27

国立新美術館[東京都]

ルーヴル展のチケットがあればタダで見られるというので入った。すぐ出た。

2009/04/22(水)(村田真)

2009年度三影堂攝影賞作品展──グラウンド・ゼロ:若い中国写真家の視点

会期:2009/04/25~2009/06/28

三影堂攝影芸術中心[中国・北京]

三影堂攝影芸術中心(Three Shadows Photography Art Centre)は、中国の若い写真家や評論家たちによって2007年に北京郊外の朝陽区にオープンした写真芸術センター。中心になっているのは、自分たちの身体と環境との関係をモノクロームの細やかな画像に置き換えて展開する作品で知られるロンロン(榮榮)とインリー(映里)のコンビである。その三影堂が今年から若い写真家のための写真賞を創設した。審査員の一人として招かれたので、4泊5日で北京に出かけてきた。
北京オリンピック以前の「バブル」的なアート・マーケットの高騰が、リーマン・ショック以後の経済危機で弾けたことで、中国の写真界も大きな変動期に直面しつつある。三影堂からも近い大山子の「798芸術特区」などでも、画廊の撤退が相次いでいるようだ。とはいえ、4月26日にスタートした巨大アートフェア「ART BEIJING」の会場などを覗くと、若いアーティストたちや観客の熱気はただ事ではない。そんななかで第一回目の公募をした「三影堂攝影賞」は大きな注目を集め、300名近い応募があった。そのうち一次審査を通過した31名の作品が会場に展示されていた。
僕を含めて、アメリカ、オランダ、イギリス、中国の5人の審査員の投票の結果、大賞(賞金8万元=約120万円)に選ばれたアドゥ(阿斗)の作品は期待にたがわぬものだった。四川省の少数民族を撮影したモノクロームのドキュメンタリーだが、神話的ともいえるような不思議な時空に観客を引き寄せる力が備わっている。ぜひ日本でも紹介したいスケールの大きな作家だ。次回の公募も大いに期待できそうだ。

2009/04/25(土)(飯沢耕太郎)

『Casabella Japan』775号

発行所:アーキテクツ・スタジオ・ジャパン

発行日:2009年4月25日

たまにカサベラ誌を広げることを楽しみにしている。というのもグローバル化が進むなか、誰もが同じような情報を受け取っていると恐ろしいと感じつつあるのだが、まったく違うコンテクストのなかで、やはり建築が生まれつつあるということを、再確認できるからである。独自の時間軸をもったメディアであるともいえるのだろうか。基本的に南欧とモダニズムをベースにした建築が取り上げられる傾向にあり、最近ネットでよく見かけるような、いわゆるアイコン的建築は少ない。大判の写真のよく似合う、いわばネット化されにくい建築であるといえるかもしれない。本号も、イベリア&イタリアといった特集があり、ミース以降のIITキャンパスについてマイロン・ゴールドスミスが取り上げられるなど、カサベラらしい路線が貫かれている。編集長であるフランチェスコ・ダル・コー自身の方向性が強く現われている雑誌であるのだろう。他の建築メディアと比較してみた時、ある人は「遅れている」と感じるのかもしれない。けれども、ヨーロッパ、特にイタリアにおける独特の時間の流れは、異なるベクトルに沿って進むような時間軸であって、リニアな時間の座標軸だけでは理解が難しいのではないだろうか。そういう可能性を感じさせるカサベラ誌に、部分的に日本語訳したリーフレットがついているのがカサベラ・ジャパンであって、現在日本語で読める建築メディアのなかで、もっともグローバルな動きと距離を置くメディアの一つではないかと思う。とはいえ、グローバルな動きとはいっても、それは相対的なものに過ぎないのだが。

2009/04/25(土)(松田達)

Truth Of the Multilayer──塩崎優、柴田主馬、吉岡千尋

会期:2009/04/21~2009/04/26

同時代ギャラリー[京都府]

80年代生まれの3名の絵画作品が並ぶ。空間を共有するのは難しいと感じる展覧会も多いが、この三人展はどれも他の二人の作品世界を邪魔せず、それでいてそれぞれが個性を放っていて絶妙なバランスを感じた。とくに柴田主馬の作品は構図も色彩もユラユラと不安定に揺れ動いているように感じられて不思議でつい何度も作品の前で立ち止まってしまう。次はぜひ個展が見てみたい。

2009/04/25(土)(酒井千穂)

藤原康博──bedtime stories 2003-2009

会期:2009/03/21~2009/04/26

MORI YU GALLERY KYOTO[京都府]

会場に入ると、まず妖精か妖怪のような白と黒のビーズで覆われた人形のオブジェが目に飛び込む。夢に出てきそうな強烈なインパクトだ。他に、出雲大社をモチーフにしたジオラマ、「7人の小人」像を描いた平面作品、人間の足をモチーフにした立体など、さまざまな作品が展示されている。共通するのは、神話や、あの世とこの世を媒介する存在などのイメージだという。一見、どれも独立した作品のような印象もあるのだが、会場を歩き回っていると、それぞれが連関して展示空間がひとつの世界として成立していることにも気づきハッとする。二次元と三次元の表現が交錯し、四次元世界にも想像が掻き立てられていく不思議な魅力を感じて興奮。

2009/04/25(土)(酒井千穂)

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