artscapeレビュー

2010年07月15日号のレビュー/プレビュー

泉イネ展「未完本姉妹 影の春光」

会期:2010/06/26~2010/07/31

小山登美夫ギャラリー6F[東京都]

本好きの女性たちが寄り集まって本姉妹を結成。その集いを映像や写真に撮ったり、彼女たちの持ち物を描いたりしている。だから「未完本姉妹」は「未完本の姉妹」ではなく、「未完の本姉妹」なのだ。重要なのは、未完なのに姉妹(しまい)ということですね。それはともかく、こうしてなにか物語を設定したうえで、さまざまなメディアにより作品を紡ぎ出していくというのが泉イネのスタイルらしい。つまり、作品に外部性を持ち込むというか、作品の一部を外部にゆだねるというか。

2010/06/30(水)(村田真)

カタログ&ブックス│2010年07月

展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。

KEIKO SASAOKA EQUIVALENT

発行日:2010年
発行:Rat Hole Gallery
価格:2,400円(税込)
サイズ:156×180mm

笹岡啓子によるランドスケープの写真作品19点を収録。Rat Hole Galleryから刊行。


別冊KALEO DOCUMENT MAU M&L/L 武蔵野美術大学 美術館・図書館 新棟落成記念

発行日:2010年6月26日
発行:武蔵野美術大学 美術館・図書館
サイズ:B5判

武蔵野美術大学 美術館・図書館の情報誌KALEOの別冊版。2010年4月1日に開館した同館の図書館棟について、設計の理念や経緯、つかわれ方、美術大学の図書館としての可能性などを概説。



Y時のはなし

発行日:2010年8月25日
発行:アート・ユニオン
価格:2,100円(税込)
サイズ:DVD-Video

学童保育が舞台のファンタジックメロドラマが二年の歳月を経て長編としてリマスター!!子供の事情、大人の都合重なり合わない世界はY時のときだけうまくいく。(DVD封入コピーより)

Voluntary Architects' Network 建築をつくる。人をつくる。──ルワンダからハイチへ

著者:坂茂+慶應義塾大学SFC坂茂研究室
発行日:2010年7月15日
発行:INAX出版
価格:2,500円+税
サイズ:A5判変

建築家・坂茂が立ち上げた「Voluntary Architects' Network」による1995年の阪神・淡路大震災から、2010年のハイチ地震までの災害復興をはじめとする活動紹介、北山恒氏、ブラッド・ピット氏との対談などを収録。社会から求められる建築家のあり方に迫る。

横井軍平ゲーム館 RETURNS ゲームボーイを生んだ発想力

著者:横井軍平・牧野武文
発行日:2010年6月30日
発行:株式会社フィルムアート社
価格:2,000円+税
サイズ:B6判

1997年刊行の「横井軍平ゲーム館」(アスキー)の復刊。数々の名作玩具を生み出した横井軍平氏の発想力に迫とは。




『SITE ZERO/ZERO SITE』No.3

責任編集:田中純
特集企画:門林岳史
発行日:2010年6月1日
発行:メディア・デザイン研究所
装丁+本文デザイン:秋山伸[schtücco] w/optexture
価格:2,200円(税込)
サイズ:B6判変

特集=ヴァナキュラー・イメージの人類学
門林岳史、ジェフリー・バッチェン、岡田温司、前川修、唄邦弘、増田展大、浜野志保、畠山宗明、石谷治寛、長谷正人、田中純、佐藤守弘、中沢新一、ミリアム・ブラトゥ・ハンセン、マリ=ジョゼ・モンザン、山本圭、南後由和、榑沼範久

2010/07/15(木)(artscape編集部)

プレビュー:川北ゆう

会期:2010/07/02~2010/07/28

INAXギャラリー[東京都]

すでにオープンしているのだが、川北ゆうの東京での初めての個展。水と風の流れ、温度や湿度など自力ではどうしようもない自然現象との関係によって完成する作品はいつも実験的で新鮮な印象を与え、想像を掻き立ててやまない。涼しげな印象もあり、暑いいまの時季に見るのもきっと気持ちが良いだろう。

2010/07/15(木)(酒井千穂)

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