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在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本2013年文化プログラム記者発表会レポート

artscape編集部2013年02月15日号

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 去る1月30日、在日フランス大使館とアンスティチュ・フランセ日本★1が2013年に日本で展開する文化催事ならびに今夏・東京都美術館で開催される展覧会「ルーヴル美術館──地中海 四千年のものがたり」展の記者発表会が2部構成で東京・広尾のフランス大使館公邸で開催され、100名を超える参加者で賑わった。ここでは会見の構成に沿って当日の模様をレポートしたい。


クリスチャン・マセ氏
提供=アンスティチュ・フランセ日本

★1──アンスティチュ・フランセ日本は、フランス大使館文化部、東京日仏学院、横浜日仏学院、関西日仏学館、九州日仏学館を統合して昨年誕生した、アジア最大のフランス文化機関。URL=http://www.institutfrancais.jp/

第1部:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本2013年文化プログラム

 冒頭挨拶に立ったクリスチャン・マセ駐日フランス大使は、アンスティチュ・フランセ日本の設置によってより多くの文化催事を企画・開催できるようになったと述べた。またそれによって、催事の日本各地での巡回が可能になり、2013年に計画されているプログラム数は200を超えるという。「ワインになぞらえるなら、今年の日本でのフランス文化は、当たり年です」──マセ氏は2013年のプログラムをこう表現した。
 続いてフランス大使館文化参事官でアンスティチュ・フランセ日本代表のベルトラン・フォール氏は、「現代的な活動の重視」「著名作家と若手作家のバランス」「地方巡回の拡大」「若い人向けのイベントの増加」といった今年のプログラム全体の特長とあわせて具体的なプログラムをいくつか紹介した。
 引き続き、音楽プログラムのひとつである「ラ・フォル・ジュルネ」について梶尾音楽事務所の梶尾眞秀氏が解説した。

第2部:ルーヴル美術館の2013年の日本での活動

 インフルエンザで急遽来日できなくなったアンリ・ロアレット、ルーヴル美術館館長に代わって、クリストフ・モナン同美術館メセナ部長がルーヴル美術館の近況と2013年の日本での活動を以下のように紹介した。

 昨年9月18日にイスラム美術部門の新展示室がオープン。オープン以来すでに100万人が来場し、25年前にできたピラミッドに続くルーヴルの新しい顔となった。また12月8日にはランスの分館がオープンした。部門や地域の分類によらない時間軸による展示や、収蔵庫など舞台裏も開放した施設が好評で、オープン1カ月半で20万人が訪れている。日本人建築家グループのSANAAによる設計であり、ロワレット館長も21世紀を代表する建築となるだろうと賞賛している。
 2013年はルーヴルにとって「日本年」となる。その代表的な事業のひとつとして「ルーヴル美術館──地中海 四千年のものがたり」展が位置づけられている。これは地中海の壮大な歴史を巡る展示であり、初めてルーヴルの館外に出る作品もある。
 本年9月1日までルーヴル - DNPミュージアムラボで開催する「古代ギリシアの名作をめぐって──人 神々 英雄」もルーヴルの関連事業のひとつである。今回は古代ギリシアの著名作家の陶器作品を展示する。ミュージアムラボはマルチメディアを利用した新しい美術鑑賞を探求するために2006年から始まった大日本印刷(DNP)との共同プロジェクトで第10回展を迎えた。今回の展示のために開発された鑑賞システムは後日、ルーヴル美術館の「ミロのヴィーナス」の展示室などに導入されることになっている。またこのプロジェクトは、さらに2014年より3年間継続して推進することになっており、美術館外の教育プログラムとしての活用も検討されている。
 今回、ロワレット館長が来日できなくなったことについて、本人もたいへん残念がっている。というのも、12年の在任期間を通じて日仏の絆を強めたロワレット館長はこの4月に退任することが決定しており、今回の来日はルーヴル美術館の館長としてはおそらく最後の機会であったためである。


ミュージアムラボ第10回展「古代ギリシアの名作をめぐって──人 神々 英雄」展示室風景


同展鑑賞システムのひとつ「ギリシアの神々や英雄を見分ける」。ルーヴル美術館のミロのヴィーナスのギャラリーに設置される予定

 モナン氏に続いて、「地中海展」の学術協力者のひとりで大原美術館長・東京大学名誉教授の高階秀爾氏が展覧会を紹介した。本展の特徴は、ルーヴル美術館全8部門から作品が選定されており、そのテーマが広範におよぶ点にある。かつて高階氏が国立西洋美術館長であった1993年に監修を手掛けて日本で開催した「ルーヴル美術館200年」展よりも、本展は出展部門の数やテーマが大きく、日本初公開となる《アルテミス》をはじめとして魅力的な作品も多く、意義のある展覧会となるという。
 引き続き、東京都美術館学芸員・大橋菜都子氏が、6章で構成される同展の「みどころ」について述べた★2。各章の概要とともに、《泳ぐ乙女の形のスプーン》や《パリス》、クロード・ベルタン《クレオパトラ》などの像、テオドール・シャゼリオー《アルジェリア、バルコニーのユダヤの女性たち》、フランソワ・ブーシェ《エウロペの略奪》の絵画など代表的な作品をあげて紹介した。

 最後は、近藤誠一文化庁長官を交え、クリスチャン・マセ駐日フランス大使、ベルトラン・フォール氏、クリストフ・モナン氏、高階秀爾氏、東京都美術館長・真室佳武氏の記念撮影会が行なわれた。
 記者発表会に続いて行なわれたレセプションでは、近藤長官が「アートは平和なところでこそ盛んとなる。文化の力で世界に平和を」と述べ、乾杯した。


登壇者全員の記念撮影風景
提供=アンスティチュ・フランセ日本

★2──「地中海展」は以下の六つの章で構成される。「第1章:海、大地、島」「第2章:初期の交流」「第3章:古代ローマ帝国時代」「第4章:中世の地中海:十字軍とレコンキスタ」「第5章:近代へ向かう」「第6章:地中海世界の広がり」。

[artscape編集部]

アンスティチュ・フランセ日本──2013年の文化活動(1月30日プレス)

URL=http://www.institutfrancais.jp/cp2013/

ルーヴル美術館──地中海 四千年のものがたり

会期=2013年7月20日(土)〜9月23日(月・祝)
会場=東京都美術館
東京都台東区上野公園8-36/Tel. 03-3823-6921
主催=東京都美術館、ルーヴル美術館、日本経済新聞社、NHK、NHKプロモーション

ルーヴル-DNPミュージアムラボ「古代ギリシアの名作をめぐって──人 神々 英雄」

会期=2013年2月1日(金)〜9月1日(日)
会場=ルーヴル - DNP ミュージアムラボ
東京都品川区西五反田3-5-20 DNP五反田ビル1F/Tel. 03-5435-0880
主催=ルーヴル美術館、大日本印刷

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